コロナ自粛期間中に読むべき本の紹介の2回目です。
第1回目は下記を参照してください。
今回は、歴史や経済関連の書籍を。
まずはジャレド・ダイアモンドの著作。
著書は結構あるんですが、あまりちゃんと読めてないので、これをきっかけに主要作品は一通り読んでおきたい。人類の文明の隆盛や衰退を大局的に捉えるダイアモンドさんの著作は、新型コロナ騒動を一歩引いて考えるのに良いんじゃないかと思います。
ピュリッツァー賞を受賞し、ベストセラーにもなった、『銃・病原菌・鉄』は有名ですね。
他にも、新型コロナ禍を考える上で、参考になりそうな著作はたくさんありますね。
続いて、いまでもベストセラーが続いてい『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』です。
この本を挙げるのは、データに基づかず、適当なことを言ってる人があまりにも多いからなんですよね。
例えば、「日本の感染者が少ないのは、PCR検査をしている人が少ないからで、実際の感染者はもっといるはずだ!」みたいなことを言ってる人はたくさんあります。
実際にそうなのかもしれませんが、推測を拡散させたりせず、自分で公表されているデータを基に、実際の感染者数を推計してみればいいんじゃないかと思うんですよね。
続いて、ナシーム・ニコラス・タレブの下記の著作。
著者は「リーマンショックを予見した人」として一躍脚光を浴び、『ブラックスワン』はベストセラーになりました(日本語に翻訳されたのはリーマンショック後でしたが・・・)。
これらの本は、すでに本ブログで紹介しているので、詳しくは語りません。
『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』はこんな時だからこそ、読んでおきたい本
「人は偶然性に支配されていて、それに翻弄されている。にもかかわらず、人々は未来が予見できると思っている」みたいな論旨で延々と語っています。
「新型コロナが落ち着くのは○○年」みたいな予測する機関があったりしますが、現時点でそんなことが分かるわけがないんですよね(例えば下記)。
外出規制、22年まで継続も 新型コロナ、風邪参考に予測―抗体調査早急に・米大学
本書を読めば、そういう根拠のない予想に翻弄されることもなくなるんじゃないかと思うわけです。
文章自体は難解ではないんですが、欧米人、あるいは知識人しか分からないような皮肉や冗談にあふれているし、著者には衒学趣味、韜晦趣味があるようで、ちょっと読みづらいところはあります。
一冊読むとするなら、ベストセラーになった『ブラックスワン』よりは、『まぐれ』を勧めます。
あと、新型コロナと直接関係はないんですが、『21世紀の資本』(トマ・ピケティ)は、新型コロナの拡大が落ち着いたあとで再注目される可能性があると思っています。
値段も高いし、700ページもあるんですが、だからこそ、こういう時に腰を据えて読んでみると良いかと思います。
一般に言われているほど難解な本ではないし、ディテールに有用な知見がちりばめられているので、入門書で手っ取り早くわかった気になるよりは、原典をしっかり読んだほうが良いと思います。
本書は「r > g (資本収益率 > 経済成長率)」の数式が取り沙汰されて、「資本主義社会では放っておくと自動的に格差は拡大する」みたいなことが語れるわけですが、そもそも「格差はどうして生み出されるのか?」といったところを歴史からひも解いていて、有用な知見が結構あるんですよね。
格差が開くと、戦争や革命が起こって、一時的に格差が是正されることもあるわけですが、現時点では、新型コロナは格差を助長しているので、その辺と重ねて考えてみると、色々と面白いかと思います。
最後になりますが、『サピエンス全史』、『ホモデウス』のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、新型コロナに関する発言で注目を集めています。
『サピエンス全史』のユヴァル・ノア・ハラリ氏、 “新型コロナウィルス”についてTIME誌に緊急寄稿!
全文公開第二弾! ユヴァル・ノア・ハラリ氏(『サピエンス全史』ほか)が予見する「新型コロナウイルス後の世界」とは? FINANCIAL TIMES紙記事、全文翻訳を公開。
改めてハラリさん著作を読んでみるのも良いんじゃないかと思います。
スタンダードな本ばかりになってしまいましたが、こういう時はあえて王道路線を行ったほうが良いと思います。
自分が読むための読書リストを作るつもりが、大半が既読本になってしまいました。
まあ、主要本はすでに読んでいるってことで、、、自己満足。