連休はまとまった予定を入れていないので、読書がはかどります。

『資本主義の終焉と歴史の危機』(水野和夫:集英社新書)という本を読みました。

本書そのものが時代に合っていたこともあるし、ピケティの『21世紀の資本』の副読本的な位置づけがなされたりして、かなり売れた本のようですね。

新書の割には、かなり大きな視点から資本主義の行く末を俯瞰的に描くことに成功していると思います。
著者が産業界と学界の両方に身を置いた経験のある方で、理論と現実社会のバランスもうまく取れていて良書だと思いました。

資本主義というのは、中心と周辺の存在を前提とし、中心が周辺から収奪するシステムである。
という前提に立ち、現在は周辺が失われており、それがすなわち資本主義の終焉を意味する。
周辺というのは、発展途上国だったり、貧困層だったり・・・というわけです。
というのが、かなり大ざっぱな本書の主張。

これは、別に新しい概念ではありませんが・・・

資本主義の死期を迎えようとしていることの象徴として、先進国の国債金利が軒並みゼロに近づいており投資から利潤の得られない時代が来ているということが挙げられてます。

本当に資本主義が終わるとすると、大変ですね。
われわれ投資家は資本主義の恩恵を受けて、そこからあがる資本収益で潤っているわけですからね。
(潤っていない人も多数いるでしょうが)

いずれにせよ、資本主義なんて歴史的に見れば、最近成立し、整備された経済制度です。
われわれが死ぬ前に資本主義が崩壊してもおかしくはないと思います。
実際、社会主義は早々に崩壊しました。

ただ、僕個人は資本主義は著者が言うほど、容易に終焉を迎えることはないと思いますね。
まだまだ、周辺というのは多数あるし、資本主義自体が新たな周辺を生み出していくものだと思います。

本書は2014年の3月に出た本ですが、中国バブルの崩壊を明確に予見しています。

一方で、資源価格の高騰を資本主義の危機ととして結びつけて語られたりして、その辺は現状にそぐわない点ですね。
良書だとは思いつつ、短期的な動向に関する記述も多いので、意外に賞味期限は短い本なのかもしれません。
そろそろ改訂版を出していただきたいところです。

ちなみに、集英社新書は意外に(と言っては失礼か?)良書が多いですよ。
僕が読んだ中では、下記はおススメです。


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