勉強

1年以上も前のことになりますが、朝日地球会議のレビューで、経済学者の中室牧子さんの講演が面白かった!と書きました。

勉強になった『朝日地球会議2016』

やっとのことで、中室さんの『学力の経済学』を読みました。

専門書の中ではかなり売れた本のようですが、たしかに内容は分かりやすくて、勉強になる良書でした。
恐らくですが、知的好奇心の高いインテリよりも、子供の教育に悩むママあたりがメインの読者層じゃないかと思います。

そうでないと、ここまで話題になったり、30万部も売れたりはしないでしょうからね。

子供の教育というのは、親であれば誰でも関心は高いし、悩みの種でもありますからね。
ところが、教育に関する本は、腐るほどある割には、客観的にデータに基づいて書かれた本はほとんどありません。

本書の内容自体は、おそらくアメリカで研究されている内容に基づいたもので、独創的なものではないとは思うのですが、日本人にとっては目からウロコの内容だったと思われます。

「ゲームは子どもに悪影響?」
「子どもはほめて育てるべき?」
「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」

といったことに対して、データを元にちゃんと答えてくれています。

ご褒美については、結果に対して与える(例えば「80点以上取ったらお小遣いをあげる」)のではなく、過程に対して与える(例えば「この問題集を全部やったらお小遣いあげる」)べきだとのこと。
褒め方についても同様で、「お前は頭が良いからできるはずだ」みたいにすでに手に入れたものに対して褒めるのではなく、「今回は良く頑張ったね」と努力を褒める方が効果的なんだそうです。

あと、統計でごまかされることもあるというのも、「なるほど」と思わされました。
例として上げられたいたのが、都道府県別の学力ランキングです。
都会よりも、地方の都道府県の方が学力が高いという結果が出ていたりして、これまでも不思議に思っていました。
これは、公立の学校を対象にしたもので比較されていたりするそうです。
公立は地方では学力が高い生徒が行き、都会ではそれほどでもない生徒が行く傾向があります。
地方に有利に出てしまうんですよね。

あと、学力には学校よりも家庭の影響が大きいという話もありました。
親の学歴や年収がどうしても子供の学力に影響してしまうんですよねえ。

あと、「我慢強さが学力に大きく影響する」というのは、有名な「マシュマロテスト」の話題とともに語られてました。
マシュマロを食べるのをガマンで着た子供が、将来成功する・・・という実験結果です。

僕の場合、田舎の出身で、両親ともに高卒だったので、教育環境は不利でした。
なので、かなり努力せざるを得なかったんですよね。

僕の従兄弟も同じような環境だったんですが、従兄弟の家庭は本書の反面教師のような家庭でしたね。
親が学歴も低く、年収も高くないのに、子供に過大な期待をして勉強させようとしていた。

「家庭環境が悪くても、一流大学に行った生徒がいる」みたいな特殊ケースを出して、子供に勉強させようとしたのですが、従兄弟は色々なことがイヤになって高校を中退してしまいました。
いまはうまくやってるんですが、歪んだ教育感が子供を潰すんですよねえ・・・

本書で語られているような考え方が浸透して、本当に意味ある教育が行われればよいな、と思います。

最近は、社会科学でも「エビデンスベースドアプローチ」と呼ばれる、統計とデータに基づいた学問が盛んですね。
無味乾燥なところはありますけど、水掛け論に陥らず、建設的なアプローチができるので、学問的な方法論として、今後も主流になっていくんじゃないかと思います。


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