幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」 (橘 玲)

読もうと思っていて、なかなか読めなかったけど、やっと読めました。
最近、日米で幸福論がブームだなぁ・・・と思います。

昔の幸福論は哲学や文学の領域でしたが、最近は科学的というか、統計学的というか、実証的に語られるようになっています。
無味乾燥な感じはしますけど、抽象論に陥らずに議論できるのは、建設的だと思いますね。

社会的背景としては、アメリカでは911やリーマンショックがあり、日本では東日本大震災があった。
人々が悲劇を直接的、間接的に体験することで、「幸福とは何か?」ということについて考える土壌ができてきたんでしょうね。

さて、本の話題に戻りますけど、最近語られてきた幸福論を換骨奪胎して、橘玲氏特有の辛口の味付けがされている感じです。

本書が幸福論なのかというと、意見は分かれると思います。
タイトルは、幸福の「資本」論でしたね。
タイトル通り、幸福になるための「資本」について論じたものなので、直接的な幸福論とは言えないかもしれませんね。

それはさておき、本書では、人が持っている資産を下記の3つとしています。

人的資本・・・働いて稼ぐ力=労働力
金融資本・・・金融資産
社会資本・・・共同体における絆、人的なネットワーク

本書では、人的資本にウエイトが置かれてるなあ・・・と思いました。

金融資本の話はあまり触れられていません。
これについては、すでに橘氏が何冊も本をお書きになっているので、あえて本書で論じる必要はないんでしょうねえ。

人的資本に関していうと、日本のサラリーマン社会の崩壊とフリーエージェント社会の到来みたいなことが書かれています。
この辺は、他書でも語られていることです。

以前も紹介した、『ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉 』という本もそうです。

読んで働き方の変化を考えた『ワークシフト』

そういう意味では、新しさはないんですけど、昨今の過労死問題についても言及しながら、日本企業がどうして過重労働を生み出すのかを論じているところなんかは、「なるほど」と感心するところがありました。
橘玲さんは、良く勉強されていて、とても博識な方だと思いますが、僕たちが疑問を抱きがちなところを、その豊富な知識でうまく埋めてくれるので、痒い所に手が届く本になってます。
要点をしっかり抑えて情報を整理する能力も含めて、本当に頭の良い人だなあ・・・といつも感心させられます。

少し長くなってしまったので、本書の骨子となる、3つの資本を使って幸福を得るための方法については、改めて書きたいと思います。


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