労働者の皆さま、今日も一日ご苦労様です

最近、ネット上でマスコミを「マスゴミ」とか言ってディスる人を良く見かけます。
たしかに、いい加減な報道をしているマスコミは存在するし、ネットで自由に情報収集、発信ができるようになって、マスコミの化けの皮が剥がれてきたと言える。
一方で、「マスゴミ」と批判する人の主張って、ゴミ以下のことが多いんですよね。

問題を起こした日本人が在日だったことになったり、不祥事を起こした企業が在日に仕立て上げられたり、「マスゴミ」も比較にならないような素晴らしいねつ造が行われるわけですが・・・

マスコミの報道も素晴らしいものとそうでないものがあるのですが、残念ながらわれわれ一般大衆はその良し悪しを判断する能力を持っていません。

さて、本題。
最近やっと仕事が落ち着いてきて、読みたくても読めなかった本を読んでます・・・
それはさておき、遅ればせながら『捏造の科学者 STAP細胞事件』(須田桃子)を読みました。

本書は毎日新聞の記者によるものですが、プロのジャーナリストの仕事を実感できる良い本でした。

この事件、世間は早くも忘れ去りつつあるようですが、理系出身の身としては、かなり興味あったし、いまでも真相を知りたく思うんですよね。
当時の報道の大半はいい加減だったし、それに対する人々のネット上の反応を見ていても、かなりいい加減だった。
生物学の知識や(理系の)学会のルールを前提にしないで議論をする人が多くて、ピント外れの議論が氾濫してました。

この本を読むと、著者の須田さんが生物学の知識も豊富で、本質に切り込んだ取材をされていることがうかがえるし、だからこそ、笹井氏、丹羽氏はじめ、理研のキーパーソンから直接有用な情報を取ることができていたことがわかります。

「小保方嬢は女子力を使って優秀な研究者を丸め込んだ」みたいなことも言われてます。
その要素があったかもしれませんが、それだけであの地位を築くことはできなかったはずなんですよね。当初、小保方さんに周囲の研究者が過剰な期待を抱くに至った過程も、本書からビビッドに伝わってきます。

最後までわからなかったのは、

  • STAP細胞の存在について、笹井氏はどう考えていたのか?
  • 小保方さんはどうしてねつ造という行為を行ったのか?

ということです。
そこが不満と言えば不満なのですが、結論を急がないのはジャーナリストとしての誠実さかな、とも思います。

あからさまには書かれていませんが、理研に対しては批判的だと見受けられます。

ノーベル賞も受賞した野依さんが聖域化しているのかもしれませんが、理研の対応にはたしかにかなりの瑕疵があったと言ってよいと思います。
ちなみに、大学に残って研究している先輩と話しましたが、理研の短期的な成果を求める体質と、野依理事長の責任回避的な態度には批判的でした。

それはさておき。
15年以上前に、『宮崎勤精神鑑定書』(滝野隆浩)という本を読みましたが、これも毎日新聞の記者が書いたものですが、とてもよい本でした。
毎日新聞社は優秀な記者を輩出していますが、経営状況も悪く、社員の待遇も宜しくないんですよね・・・

いずれにしても、ネットにいい加減な情報が溢れている現代に、むしろジャーナリズム精神が必要になっていると思います。

P.S.本書の中で紹介されていた『論文捏造』という本も良いらしいですよ。これはベル研で起きた別の事件のルポですが、STAP細胞事件と似てるんですよね。


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