もう一冊、沖縄本の紹介です。

『食べる、飲む、聞く 沖縄 美味の島』 (光文社新書) 吉村喜彦

この本も、再読ですが、改めて発見があった、良い本でした。
沖縄料理に興味がある人には、とても面白く読める本だと思います。
逆に、関心がないとつまらないと思います。

地元出身か否かに限らず、沖縄に関する本を書く人は、沖縄愛が強い人が多いですね。

愛が強いだけに、かなり勉強もされていますし、本書を書くために(というよりは本書の元になった記事を書くために)現地の方々にインタビューしており、しっかりしたつくりになっています。
新書のレビューの時は、よく書いてますけど、最近の新書って安直に作られたものも多いんですよね。
本書は違います。

沖縄独自の食文化がどうやって生まれ、現状どう受け継がれているのか(あるいは受け継がれていないのか)、中国や大和の文化からどう影響を受けているのか、実際に食に携わる現地の人々がどういう思いがあるのか、それに対して著者がどのように考えているのか・・・みたいなことが綴られています。

沖縄で昆布が取れないのに、沖縄料理に昆布が不可欠なのはなぜか?
みたいな、言われてみると不思議なことがちゃんと説明されて、勉強になりました。

沖縄料理という視点から、自分自身の日々の食生活や、日本の食文化を考えるよいきっかけともなりました。

ちなみに、著者の吉村喜彦氏は、元サントリーの宣伝部。
脱サラして作家になった方です。
本業の作家で、小説も書かれているだけに、表現が巧みで引き込まれます。

本当に少しだけですが、会社員時代の悩みについても触れられていて、それが沖縄に嵌るきっかけになったみたいなことが書かれています。
本書とは関係ないですが、退職組の後輩としては、この辺も詳しく知りたいところでした(笑)
なんだかんだ言いつつも、開高健や山口瞳からの、サントリー宣伝部のハイカラ文化人気質が、著者にしっかり引き継がれている感もあります。
こんな、自由闊達で待遇の良い会社を辞めることなんじゃないか? なんて思ったりもしますが、「隣の芝生は青く見える」ってやつでしょうか・・・?


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