昨日は、『ハングルへの旅』(朝日文庫:茨木のり子)を紹介しましたが、もう一冊韓国旅行に持って行った本を紹介します。

『物語韓国史』(中公新書)金両基

中公新書の『物語〇〇史』シリーズは、海外旅行に持っていく本としてオススメです。
その地域の歴史が新書一冊にコンパクトにまとまってますからね。

今回の旅行は、慶州(キョンジュ)、海印寺(ヘインサ)などの古刹巡りを含んでますので、歴史を復習したいと思っていました。

本書の特徴は、史実だけでなく、神話からひも解いているところです。
日本史を『古事記』や『日本書紀』を参照しながら書いている感じでしょうかね。

韓国の建国神話って知らなかったので、勉強になりました。
日本と似たところもあれば、違うところもあります。
日本が韓国を併合する際に、神話に関する解釈を変更したのと事ですが、神話ってそれくらい国家の存立に重要なんですよね。
面白いのが、古代朝鮮の王は卵から誕生しているという点。
王の起源を説明する一類型ではあるけど、興味深かったです。

あと、本書の特徴(ある意味では欠点でもある)としては、
・記述が叙情的 → 著者の専門は歴史ではなく、比較文化なので、その特徴が出てるかも
・古代・中世史が厚く、近現代が薄い(1000年代に入るまでに全体の3分の2を費やしてしまっている!) → 近現代は申し訳程度に記述されている程度
・モンゴル帝国の襲来など、重要な事件でも記述がほとんどなかったりする

あと、著者はちょっと愛国心が強いかなあ・・・とも思います。
まあ、日本人が日本史を書くと、日本人に都合の良い記述になりがちなので、その辺はお互い様のところもありますが。

そんなわけで、「通史」として読むのは厳しいところかと思います。
表題も「物語」と銘打っているので、あくまでも著者が「物語った韓国史」という「読み物」として読めば、楽しみながら勉強できると思います。


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