以前、齋藤孝の『語彙力こそが教養である』のレビューを書きました。

『語彙力こそが教養である』はブログ運営にも有用な本

で、この本の中で、下記の本が紹介されてました。

『ミステリーの書き方』 (幻冬舎文庫) 日本推理作家協会 編著

ミステリーを書く気はないし、ミステリーをたくさん読んでいるわけでもありません。
でも、『語彙力こそが教養である』でオススメ本として紹介されていたし、どうやって作家がトリックを思いつくのか? 読者を最後まで興味を維持させながら引っ張っていくのか? みたいなことに興味があったので、読んでみました。

600ページ以上もあって、かなりのボリューム感です。
中身もぎっしり詰まっています。

「プロットのつくり方」「セリフの書き方」みたいな、エンターテイメント小説を書く上で重要なテーマを設け、それぞれ作家の寄稿やインタビューで構成されています。
「有名なミステリー作家はほとんど網羅されているんじゃないか!?」と思うくらい、豪華です。
さすがは、日本推理作家協会の編著なだけあります。

しかも、単なる寄せ集めではありません。
編集がしっかりしているし、インタビュアーもプロの作家や評論家がやっているので、本質に迫っています。

章の間に作家へのアンケートが掲載されていて、それも面白いです。
文字が小さく、そこだけ横書きになっていて、読みにくいのがちょっと残念ですが・・・

作家によって意見が異なるところはありますけど、全体を通して、プロの作家が何を考え、どんな工夫をして、作品として世に出すに至っているのかが良く分かります。
読者が思っている以上に、プロの作家って色々考え、ディテールにまでこだわっているんですね。
あと、日常生活すべてがネタの宝庫で、そこから作品化できるような素材を常に探している。
企業では「ワークライフバランス」みたいなことが言われてますけど、プロ作家にとってはワークとライフが俯瞰分なんですね。
生きることと書くことがほぼ同義という感じです。

逆に、それができないとプロにはなれないってことなんでしょうね。

「運と才能も重要」みたいな身も蓋もないこと言っている人もいます(笑)。

小説家に限らずですが、プロって大変だなあ・・・と思います。

面白かったのは、みんな自分の作品に多大な自信を持っているんですね。
「自分の作品のここがすごい」的なことを多くの作家が平気で語るし、自作と比較しつつ他の作品の欠陥を指摘したりしています。
彼らが傲慢というわけではなく、それだけ多くのことぉ考えて、身を削って書いているから、おのずから自信が生まれるんでしょうね。

作家志望者へのアドバイスとして、「ひたすら書き続けろ」みたいなことを多くの作家が言ってています。
何年も書き続けて、懸賞に応募して、やっとデビューできた人もいるんですね。
あと、「専業は勧めない」「作家以外にお金を稼ぐ道を探すべき」みたいなことを多くの方が言っています。
本当に、いまは小説家って儲からない商売になってしまっているんだなあ・・・と思います。

まだ、ミステリー小説はマシかもしれません。
純文学作家なんて、芥川賞とっても食えていない人がたくさんいると聞いています。

いずれにしても、本書はミステリー作家志願者だけのものにするのはもったいない
全ての小説好きに読んでもらいたい本です。


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