先日、高階秀爾の『近代絵画史―ゴヤからモンドリアンまで』という本を紹介しました。

西洋美術を学ぶ基本図書『近代絵画史―ゴヤからモンドリアンまで』

同じ著書の『20世紀美術』 (ちくま学芸文庫) を読みました。

画家、時代は一部被るところがありますけど、両者は相互補完的になっていて、勉強になりましたよ。

「現代美術は分かりにくい!」と思う人が多いですよね。
普通は古典の方が時代や社会環境が違っているため、理解が難しいと思うのですが、美術はちょっと違います。

なんでこんな子供の殴り書きみたいなのが億単位のお金が付くの??みたいな素朴な疑問も、僕自身いまでも抱くことが多いですね。

本書は、そんな現代美術を説明した本なので、いきおい説明もやや難解になりがちです。
個々の作品の解説や、作家の個性では、現代美術は説明しきれないところがあります。
本書は、時代の精神の流れから、どうして現代美術がそのような表現に至ったのかが俯瞰されています。

高階さんの他の著作同様「なるほど、そういうことだったのか!」と納得させられるところが多々ありましたよ。
例えば、どうして現代美術が再び彫刻等の立体美術に回帰しているのか?ということも、時代精神を追っていくことで、すんなり理解できるんですよね。

ただし、読後も現代美術を鑑賞して楽しめるようになるかと言うと・・・ひとそれぞれかな、と思います。
分からないながらも、ある程度は受けいられるになるとは思いますが。

現代美術の書籍と言っても、最初に書かれたのが1960年代後半で、その後、加筆されてはいますが、20世紀の後半の動きは正直弱いです。
まあ、大きなトレンドの変化はないと思うので、20世紀美術を理解するのに阻害にはならないのですが。

ただ、社会の変化、科学技術の発展、資本主義の進展(またはそれによる作品の購入者、鑑賞者の編成)等の外的要因で美術が変化しているというのは、20世紀美術を語る上で見逃せない視点ですが、その辺は薄かったかなと思います。
あくまでも本書は、美術界の内的な運動を起点に語られていると思います。
まあ、本書に外的要因まで語ることを求めるのは過剰だとは思いますけどね。

いずれにせよ、現代美術に興味ある人、現代美術が理解できない人にはオススメの本です。


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