書籍のレビューです。

『東と西の語る日本の歴史』 (講談社学術文庫) 網野善彦

「網野史学」と呼ばれる歴史観を確立した、日本史研究者の泰斗の著作。

日本列島が交通網や通信網で結ばれるようになり、日本は急速に均質化が進んでいます。
しかしながら、日本の東と西ではいろいろなことが異なっています。

本書は、歴史学からその違いの根源に迫ったもの。

東西の生活文化の違いに関する記述からはじまり、日本史の中で、いかに東西が分かれてきたかが語られ、最後にまた文化の話に戻ります。
歴史の記述は、難しいところもありますが、多くの示唆がある本でした。

かなりの昔から、日本は東西に分かれることが示されていて、しかもその境界線は、愛知と静岡の間くらいで、事例を経てもあまり変わってない。
ちょっとビックリです。

日本史の学者は、歴史的には東より西が文化的に発達していて、西の方が偉いと見がちです。
東側の人は、西側に対するコンプレックスがあるんですよね。
網野善彦氏は関東(山梨)出身で、東側出身ですから、結構東寄りの見方をされています。
どのくらいその見方が正しいのかは分かりませんが、東側の歴史って手薄になりがちなので、勉強になります。

ただ、網野氏の記述のように、東西が明確に分けられるかは良く分かりません。
結構古い本なんですが、最新の学術研究の成果がどうなっているか、知りたいところですね。

下記の著作は、その補完になると思います。

『東西/南北考―いくつもの日本へ』 (岩波新書) 赤坂憲雄


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