ここ数日、ひたすら書いていますけど、処分する本を再読中です。

『イタリア遺聞』(塩野七生)

塩野七生の本は、保存するかどうか迷いますね。

『ローマ人の物語』のようながっちりした本は保存。
エッセイ集等の軽めの本は売却。

おおまかに、そんなルールで振り分けてます。

『イタリア遺聞』は後者なんですが、読んでいると手放すのがもったいなくなります。
「遺聞(いぶん)」って、聞きなれない言葉です。
実際、使われることはほとんどないですね。
「世間に知られていない珍しい事柄」という意味ですが、本のタイトルにこういう単語を使うってすごいですね。
実際、タイトルと中身は良くマッチしています。

塩野七生だからこういうタイトルでもOKなんでしょうね。
無名の作家の作品だったら、「誰も知らなかった 驚きのイタリアこぼれ話」みたいな、品のないタイトルにされてしまうと思います。

イタリア在住の作家なだけに、日本人が知らない(それだけでなく、普通のイタリア人もたぶん知らない)面白いネタを拾い出して、しかも人間の本性に昇華する形で文章化してくれています。

  • ヴェネチアのユダヤ人は必ずしも差別されているわけではなかった
  • イタリック文字はヴェネチア共和国の出版社が小型本を出版した際に、文字が詰め込めるような自体として開発された
  • カサノヴァはスパイだった

みたいな、面白いエピソードが満載です。
読んでおけば、イタリア好き、ヨーロッパ好きの女の子とデートした際に、知的な会話を楽むネタ仕込みになると思います(笑)

イタリア版の司馬遼太郎という感じの人ですが、対象エリアがイタリアだけに読者も違います。
最近はヤマザキマリさんがいたりしますが、塩野さんの夫はイタリア人元貴族の医師だったりして、内容もハイソサイエティーな感じがします。

前回読んだのは20年くらい前だと思いますが、内容を覚えてなかったですねえ。
この人の文章ってクセがないし、中身もあまり奇を衒ったようなところはないので、逆にある程度の知識と経験がないと、面白いとは思えないのかも。

少なくとも、海外にほとんどでたこともない、人生経験もほとんどない若造の時は読んでもピンと来なかったけど、いま読むと面白いと思えます。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください