ブックオフに本をまとめて売ろうとしていますが、売る前に何冊か本を再読してます。
特に、池上彰の本は、長期保存するほどではなくても、世の中の基本を勉強する上では最適なんですよね。
『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』(文春文庫)池上彰
一度読んでいたし、宗教に関してはこれまでも関心があって、他の本も読んだりしてはいましたが、改めて頭の整理にはなりました。
最初と最後に池上氏のまとめがあり、その他は対談形式です。
対談部分は、仏教、キリスト教、イスラム教、神道のそれぞれの専門家へのインタビューで構成されてます。
基本的なところが押さえられています。
キリスト教についてはカトリック、プロテスタント、東方正教の違い、イスラム教もスンニ派、シーア派くらいの説明はあります。
仏教も、大乗仏教と上座部仏教の説明はあります。
それ以上細かい話は別途勉強しろってことですけど、まあこのくらい押さえておければよいかなあ・・・
と思います。
イスラム教なんかは、日本人が知る機会が少ないので、本書は有用です。
たとえば、「ジハード」は、必ずしも自爆テロや聖戦という過激な意味ではないとか、イスラム教徒の多くは、親切で親しみやすい人たちだとか、あまり日本人にはそういう意識がないんですよねえ。
島原の人たちにキリスト教が浸透した背景には、子供を間引かざるを得なかった人々の悲しみがあったという話なんかは、僕も知らなかったし、「なるほど」と納得できました。
僕自身は仏教徒(浄土真宗)なんですが、一神教というのはなかなか理解しづらいんですよね・・・
仏教の期限ともなっている、バラモン教やヒンドゥー教についてもっと知りたいとは思いましたが、これは本書の範囲でもないので、ないものねだりでしょうね。
本書は、宗教そのものの入門書というよりは、現代の世界情勢を理解する上で必要になる宗教の知識を概説したものです。
学問的に宗教学を学びたい人(あまりいないでしょうが)は、別の本を読んでください。