トランプが大統領選に勝利してから、米国在住の映画評論家 町山 智浩氏が注目を集めています。
彼の過去の発言を含めて、トランプが大統領に就任することを予見していた(予言していたとまでは言わない)と見れるからです。
『マリファナも銃もバカもOKの国 言霊USA2015』は2015年4月に出版されたのですが、トランプ勝利の時に、話題にしていた人がいたので、読んでみました。

たしかに面白い。

週刊文春の連載を書籍化したものですが、スラングをネタにしてアメリカ社会を描いたエッセイです。
映画評論家なので、映画の話が多いのですが、日本人がなかなか分からないアメリカ社会の奇異なところをうまく切り取ってくれています。
それだけではなく、アメリカ社会を鏡として、日本人に対する皮肉の眼を向けていて、それもなかなか面白いのです。

さて、たしかに、退役軍人の問題とか、中部の労働者の貧困問題とか、メディアがあまり報じてこなかった、トランプ大統領誕生の鍵になっている社会状況がちゃんと語られているんですよね。
アメリカ映画にしても、良く見ていればそういう状況が描かれていたりもするのですが、環境が違いすぎる日本人が見ても、なかなか気づないのですね。
それだけでなく、先進的なトレンドリーダーに関しても、奇異な存在として語っています。

なぜか、欧米人に対しては、日本人は「おかしい」「ヘンだ」とかあまり思わないし、思っても口に出さないのですが、町山さんはそのへんをちゃんと明晰な言葉にしてくれるので小気味が良いんですよね。

マイケルムーアの映画は内側から見たアメリカ社会への痛烈な皮肉ですが、町山さんの著作は外から見たアメリカ社会(そしてそれを映し鏡にした日本社会)の皮肉と言えましょう。


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