ライフネット生命会長、出口治明氏の『「全世界史」講義Ⅱ近世・近現代編』を読みました。

古代・中世編は半年ほど前にレビューしました。

「全世界史」講義は頭の整理になる良い本だった

ウカウカしている間に時間が立ってしまいましたね・・・
こちらの本は第5000年紀、すなわち紀元1000年以降の世界史についてまとまっています。

時系列的にさっと流しているという点では教科書的とも言えるのですが、高校の世界史の教科書なんかと比べると、史実よりは、その時代の背景や、出来事が起こるべき動機にウエイトが置かれています。
なので、高校で習った世界史の復習だけでなく、「この事件はこういう理由で起こった」みたいなところがわかって、改めて発見があるんですよね。

あと、本書の特徴は、各時代の国・地域別GDPが随所に挿入されている点です。
その当時に国力がどのくらいあったのかということを、横串に比較しているんですよね。
そうやって見てみると、ヨーロッパが世界の覇権を握っていた時代というのは意外にも短いということがわかったり、近現代のアメリカ合衆国の急成長ぶりに改めて驚かされたりします。
あとは、中国が歴史を通じて世界に冠たる大国であり続けているという事実ですね。

日本に関する言及もありますけど、世界に対する影響力は小さいな・・・と思わされるし、第2次大戦に至る、近代日本のダメさ加減もあからさまには語られていないながらも、浮かび上がってきます。
米国の開国要求の目的は日本との交易ではなく、中国との交易の中継地の確保にあった。
日露戦争は南下してくるロシアに対する防衛的な意味よりは、権益拡張の意図があった。
みたいなことも書かれていて、なかなか勉強になります。
愛国者の方は、日本を過大評価、正当化しがちですが、まあ実際はこういうところなんでしょうねえ・・・

あと、第1次大戦から第2次世界大戦に至る流れが、急拡大していくドイツへの対応という視点から整理されていたり、第2次大戦とその後におけるアメリカという大国の影響の大きさが強調されていたりと、これまでモヤモヤしていたところが納得できるところもありました。

本書の内容が、どのくらい最新の学説を踏まえた妥当なものかは分かりませんが、昔、学んだ世界史の復習と、新たな学説のアップデートという点では、とても有用な本であることには間違いないと思います。

現代社会とダイレクトにつながってくるという点で、『Ⅰ古代・中世編』よりは、『Ⅱ近世・近現代編』の方が興味をもって読めました。
これからは、世界史をもうちょっと詳しく勉強し直したいなあ・・・


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