井形慶子さんの著作は以前も紹介しました。

英国式お金を使わないで豊かに過ごす方法

日英を往復して、イギリスに関する本を多数著し、55歳でロンドンに家を買ってセミリタイア。
というなかなか素敵な人生を送られた方です。

その井形さんが、今年のはじめに『今すぐ会社をやめても困らないお金の管理術』(集英社)という本を出されたので、読んでみました。

役に立った点とイマイチだった点があので、その辺を中心にレビューしておきたいと思います。

まず、「今すぐ会社をやめても困らない」というタイトルですが、これは煽りです。
騙されないでください。
タイトルに沿ったこと(すぐに会社を辞めても困らない方法)は書かれていません。
売れそうなタイトルを付けて、実際の中身はタイトルと違っている・・・というのは最近の本の悪いところだと思いますよ。

本書は、お金の管理に関する全般的なことが書かれています。

「家計管理を企業経営と同様に考える」というのが本書通底する考え方です。

ディテールの節約にハマってもあまり意味はなく、大きな出費を減らすとか、収益を上げる方法を考えるとか、大局的な視点に立って家計をマネジメントすることが重要ってことですね。
類書にも書かれていることですが、この辺のくだりは書き方が分かりやすいし、具体的なので参考になります。
「必要なお金は30か12で割って考える」というのはちょっと面白いと思いました。
30というのは耐久財は30年使うことを想定して、年間当たりのコストを算出するということです。
12というのは12か月のことで、年間のコストを月当たりに割り戻してみるということです。
総額の多寡で判断するのではなく、耐久日数も考慮して損得を計算すべき。
これは、著者の別のイギリス本でも語られている視点ですね。

ただし!
上記以外のところでは、あまり参考にはなりませんでしたね。
別の本に書かれていることが多いというのもありますが、何よりも1ページ当たりの文字数が少なく、完読するのに1時間も掛かりません。

不動産の購入についても書かれていますが、専門ではないせいか、あくまでも個人的な体験に基づくところが多かったですね。
その他の投資についてはほとんど書かれていない。

著者はシングルマザーから出発して、55歳でロンドンに不動産を買ってセミリタイアという人生を歩まれているので、それを実現するまでのマネープランを詳しく語ってもらった方が有用だったかな、と思います。

専門外のことを書いたら内容が薄くなってしまったという感は否めず。
やっぱり得意分野で勝負すべきでしょうね。

ただ、あまりこの手の本を読んだことがない方であれば、発見も多いとは思います。


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