労働者の皆さま、今日も一日ご苦労様です

2周遅れくらいの感がありますが、家入一真さんの『我が逃走』を読みました。

家入氏は「元引きこもりの起業家」として、以前からテレビやネット上でたまに見ていましたが、特に彼に対して魅力を感じていたわけではありません。
都知事選に立候補した時も、ドンキホーテ的な存在として、冷ややかに見ていました。

この本に興味を持ったのは、「10数億円を2年で使い果たした」というエピソードに興味を持ったからです。
どういう発想で、どういう使い方をして、大金をたった2年で使い果たせたんだろう?

確かにすごいですねえ。
当時としては最年少で株式上場を果たし、CEOを退いて、カフェの経営を始める。
それが、収支度外視だっただけでなく、お金を湯水のように使って飲みまくる。
金銭感覚のゆるさには驚くばかりですが、家入氏は、お金に対するこだわりが薄いようだし、お金を稼ぐために起業しているわけでもないんですよね・・・

最終的に、家入氏は困窮するんですが、それに伴って、家入氏に寄ってきた人たちがどんどん逃げていく。
人間の醜い部分を見せつけられている感じがします。

僕の知り合いにも、起業家ではないですが、自営業で成功した人がいます。
そうなると、顔の知らなかった親戚や交流もほとんどなかった友人・知人が訪ねてきてお金を無心したりする。
で、不運が重なって事業が立ち行かなくなると、やはりみんな逃げて行ってしまう。
過去に金銭的に援助してもらったからと言って、恩返ししようなんてサラサラ思わない。

あと、家入さんはビジネスが軌道に乗ると、そこから退いて、別のことをはじめたりします。
こういう人、いるんですよね。
そのまま留まっていれば、お金も稼げるのに、飽きて別のことに手を出してしまう。

さて、お金を使い果たすまでの物語は前半に過ぎません。
その後も、いろいろと社会的なビジネスを行い、最終的には世の中を変えるために都知事選に出馬する。
本を読んでみると、家入さんが都知事選に出たのは、良く分かります。
当選するとは思えなかったし、実際舛添さんになったわけですが・・・

家入氏が都知事になって都政が良くなるかはさておき、舛添さんの現在の状況を見ると、家入さんがダメというわけでもないかもなあ・・・なんて思ったりします。

ベンチャー投資家の松山大河氏が巻末の解説を書いていますが、アメリカの起業家の大半は一流大学を出たエリートで、ファイナンスに詳しかったり、プレゼン力もある。
家入氏のような存在はまれだということです。

この解説を読んで思うのは、家入さんに、一流大学卒で経営やファイナンスに詳しい冷徹に物事を考えられる参謀がいると、成功し続けることができたのかも・・・
と思います。
一方で、それがないからこそ、彼の人生が魅力的だったりするのですが・・・

いまだに、というか本書の執筆時点では、家入氏は経済的に厳しいようです。
「大変だなあ」とは思いますが、お金にこだわりが薄かったからこそ、濃厚な人生を送ることができているのだな・・・とも思います。

色々考えさせる本だったし、文章も整理されていて、テンポよく進んでいくので、読んでいて退屈しません。
おそらく、良いゴーストライターが付いたんでしょうね・・・

いずれにせよ、オススメの本ではあります。


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