『打ちのめされるようなすごい本』(文春文庫) 米原 万里

を読みました。

著者は、ロシア語の通訳として有名な(お亡くなりになっているので「有名だった」と言うべきでしょうか)方。
一般人にとっては、むしろエッセイストとして知られています。

この方の本は、どれも面白いので、好きでよく読んでいました。
特に、ロシアや周辺諸国のネタが多く、その周辺国を旅行した時に何冊か読みました。
旅のお供に最適なんです。
著作は多いのですが、Amazonのレビューはことごとく4つ星以上を獲得しています。
安定して面白い本を量産している(「していた」と過去形にすべきでしたね)方なんですよね。

さて、『打ちのめされるようなすごい本』は、この著者の「本を紹介する本」ということで、楽しみに手に取ったのですが・・・

実際の内容は、タイトルとはちょっと違いました。
読書日記と、雑誌に寄稿した書評をまとめた本で、必ずしも「打ちのめされるようなすごい本」ばかりが紹介されているわけではありません。
その辺はちょっと残念でしたが、紹介されている本の数は膨大で圧倒されました。

この著者の博覧強記ぶりと、面白いネタを生み出す能力は、多読によって培われているのだなあ・・・と感心ひとしきり。

特に、著者は癌を患い闘病中だったのですが、癌に関する書籍を多読して、冷静に論評したり、自分を実験台にして本の中で語られている治療法の有効性を検証したりしています。
その姿に、読書に対する凄まじい情念を感じてしまいます。

ロシア語が専門なだけあって、西ヨーロッパ以東の地域に関する本の紹介が多いです。
普通の有識者があまり紹介しない本もあったりしますが、それはそれで個性なんですよね。
この著者は、かなり早い段階で佐藤優氏の才能を発見したりしています。
それ以外にも、ちょっとマニアックな周辺に属する分野の本を見つけて紹介していたりして、なかなかうならされます。

読みたい本が増えてしまいました。


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