昨日の日記にも書きましたが、遅ればせながら、「人新世の『資本論』」(集英社新書)斎藤幸平著
を読みました。

著者の斎藤幸平氏は、若手の哲学者(?)ですが、最近テレビやセミナーなどでよく見かけます。

彼のことを知ったのは、マルクス・ガブリエルの本を読んでいたとき、たまたま対談のコーディネーターをこの斎藤氏がやっていたからです。

『資本主義の終わりか、人間の終焉か? 未来への大分岐 』(集英社新書) 

本書は、実はマルクス・ガブリエルの著書ではなかった(マルクス・ガブリエルを含む、知識人の対談集)のですが、斎藤幸平さんがかなり鋭いコメントをされていて、興味を持ったんですよねぇ。

あとは、「NHK 100分 de 名著 カール・マルクス『資本論』」ですね。

「人新世の『資本論』」に話を戻します。

本書は、気候変動問題から議論が始まっているのですが、気候変動をはじめとする環境問題にかなりウエイトを置きつつ、マルクスの思想をそれにつなげています。

著者によると、後期のマルクスは、「脱成長」を主張しており、現在の気候変動問題に対峙できるような、エコロジー的な思想を持っていたんだそうです。

読んでいて、「ホンマかいな?」と思ってしまいますが、この著者は、本場(マルクスの)ドイツで、出版されていないマルクスの草稿を読み解かれているので、単純に話題づくりのために、最近のトレンドにマルクスの思想を適合させて解釈してみた・・・ということでもなさそうです。

社会主義、共産主義の復活・・・といったことではなく、「共有材(コモン)」を民主主義的に管理し、平等性を実現していく、資本主義でも社会主義でもない、第三の道が提示されています。

著者によると、成長を捨てても、豊かな生活を実現することは可能とのことで、確かに、著者の主張を読んでいると、整合性はあるので、納得できます。

ただ、これまでも「資本主義は終わった」と言われながらも、延々と維持し続けていますし、それだけでなく、資本主義は以前よりも世界に広がっています(中国でさえも、かなり資本主義化していますからねぇ)。

なんだかんだ言っても、資本主義というのはなかなか崩壊しないし、気候変動をはじめとする、環境問題にしても、資本主義の中で解決策というか、妥協策を探っていくというのが、現実的な落としどころではないかと思ってしまいます。

著者の主張では、「それでは根本的な解決ではない」というところなのでしょうが・・・

賛同できる/できないを問わず、現代社会を考えるヒントになるので、未読の方は、読んでみて下さい。

 

 

 

 


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