政府の成長戦略会議にデービッド・アトキンソン氏が起用され、彼の主張に対して、「中所企業を切り捨てるのか?」みたいな批判を浴びています。
また日本搾取か。菅総理が心酔する“知日派”アトキンソンの危険な正体=今市太郎
アトキンソン氏の本は何冊か読んだんですが、非常に納得性が高いもので、別におかしな主張をしているようには思えませんでした。
彼の主張は、決して弱者切り捨てではありません。
日本は中小企業の比率が高いそうですが、経営効率の悪い中小企業が政策によって温存され、日本の競争力を削いでいる……という話です。
中小企業を統合すれば、経営効率も上がるし、従業員の所得も増えて、競争力も高まるという趣旨です。
単純に「中小企業を潰せ」という話ではないし、ちゃんと利益が上げられる中小企業はいずれにしても生き残っていけるでしょう。
また、アトキンソン氏は「最低賃金を上げろ」と主張されています。
逆に言えば、「従業員に十分な賃金も払えない企業は温存させる必要はない」ということでもありますが。
まあ、菅政権がアトキンソン氏の意見をちゃんと政策に生かしてくれるかどうかはわかりませんけどね。
一方で、菅さんって、策士というか、タヌキおやじみたいなところがあって、やっぱり好きにはなれないなあ。
彼の著作『政治家の覚悟』(文春新書)の改訂版がでましたが、初版にあった「公文書管理重要性」に関する記述が改訂版では削除されていたとかで、ネタになってしまってますねぇ。
日本学術会議の任命拒否についても、僕は問題が大きいと思っています。
「税金を使っている活動だから、政府は任命拒否するのは当然」という意見もありますけど、税金は元々は国民のお財布から出ているものですから、民意を反映しているものなのか? というのが論点になるはずです。
本件に関しては、菅氏擁護意見も多いようですが、僕は、文化、芸術、学問は、税金を使った事業であっても、国が余計な口出しをすべきではないと思っています。
東大生協が「学術会議に任命されなかった6人の著作フェア」をやったそうで、「さすが!」と思いましたが、蓮舫議員が支持のツイートしたりして、偏向した方がバカスカやりあってますねえ。
蓮舫氏「学術会議に任命されなかった6人の著作フェア」に「矜持を感じます。素敵だ」
どっちの意見もあっても良いと思うけど、アトキンソン氏の件と言い、学術会議の件と言い、「結論ありき」でバッシングしあうんじゃなくて、もうちょっとちゃんと勉強して、多角的に検証してからモノ言った方が良いんじゃないかなあ・・・と思います。
「学術会議に任命されなかった6人の著作」を貼ろうと思っていたんですが、途中で力尽きちゃいました。
宇野重規氏と、岡田正則氏の2名の著作を貼っときます。