蝶々夫人02

昨日のことになりますが、新国立劇場に『蝶々夫人』を観てきました。

蝶々夫人01

19:00開演だったのですが、会社にいたら残業しているころだったでしょうねえ。

さて、D席という一番安い席なんですが、先行予約で取ったにもかかわらず、4階の一番後ろの席になってしまいました。
やっぱり人気なんでしょうかねえ。
ステージは遠いのですが、意外に悪くない席でした。
後ろの人に気を遣う必要がないし、新国立劇場に限って言えば、傾斜がしっかりしていて、前の人の頭で隠れたりしません。
同じD席でも、人で隠れてステージ全体が見渡せないことがあるんですよねえ。
ただ、隣のオジサンが花粉症なのか、風邪なのか、鼻をしょっちゅう啜り上げるのがうるさかったです。

さて、皆様ご存じの通り(?)『蝶々夫人』は日本を舞台とするオペラです。

日本に赴任したアメリカの海軍士官ピンカートンが日本の若い女性(蝶々夫人)を現地妻に貰う。
ピンカートンはアメリカに帰国してしまうんですが、本国には妻がいるんですよね。
残された蝶々夫人は身ごもっており、いずれ男の子を産む。
困窮と世間の風当たりの中で夫の帰りを信じて待っています。
3年後に夫は戻って来るんですが、大切な子供を本国に連れ去ってしまう。
蝶々夫人は苦しみ、自殺する。

まあ、ひどい話ですよ。
ピンカートンは川谷や乙武なんかを遥かに凌ぐゲスの極みぶりです。

あと、原作は日本の文化をちゃんと理解しているとは思えないし、まあ三文小説といったところでしょうね。

ところが、プッチーニの手にかかると、これが名作のオペラ作品に仕上がってしまいます。
まあ、オペラは演劇よりは、音楽と捉えるべきですから、名作と言えるでしょう。

本作は、他の作品と比べても、ビジュアル的に面白いところは少ないと思います。
全2幕なんですが、場面転換はありません。
『カルメン』のような群衆が集まって歌うシーンもありません。

王道の演出で魅せられた『カルメン』@新国立劇場

第1幕はピンカートンと蝶々夫人のデュエット、第2幕は蝶々夫人の独唱が目立ちます。
そういう意味では、蝶々夫人役の負担も責任もかなり大きいんじゃないかと思います。

ちなみに、イタリアオペラですから、蝶々夫人役は西洋人が演じることも多いんですが、太ったおばさんが演じたりすると、違和感があります。
蝶々夫人は10代の可憐な少女ですからねえ。
こんな少女を娶って捨てるなんて、いまなら完全に犯罪です。

それはさておき、オペラは歌舞伎と同様、お約束の世界だから、蝶々夫人がデブでも、歌声が素晴らしければ、本来は評価すべきです。
でもねえ・・・

今回の蝶々夫人役は安藤赴美子さん。
日本女性で、小柄で華奢な雰囲気があって、蝶々夫人役が良く馴染んでいます。
でも、ちゃんと最後までしっかり歌い通してくれました。
この小さな体で、これだけの声量で長時間歌いぬけるのは、驚異(と書くと言いすぎか)です。

舞台はシンプルです。
階段がゆるやかでいかにも西洋風なんですけど、あまり日本っぽくし過ぎても、逆に物語の虚構性が際立ってしまうので、これで良いかと思います。
演出に、光がうまく使われていました。
単純になりがちなこの演目で工夫されている感が見られましたよ。

蝶々夫人03


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