昨日行ってきた、『カルメン』@国立劇場のレビューです。

カルメン01

18:30開演だったんですが、これまで(会社員時代)なら、とてもこの時間に行けなかったですね・・・
定時に上がっていれば可能なんですが、ムリしてそれをやっても、会社から連絡来ないかビクビクしたり、幕間にメールチェックしたりしなければならないので、落ち着いて見られません。

時間を気にせず見られるだけでも、幸せです。

さて、レビューですが、全体としてはオーソドックスな演出でしっかり見せてくれた良い公演でした。

最初はカルメン役の、レーナ・マクシモワが前面に出ていて、他の役があまり目立っていない感じがしました(演出上やむを得ないところはありますが)が、2幕、3幕と進むにつれて、バランスが取れて全体の調和が生まれてくる感じがしました。

出番は少ないですが、個人的にはミカエラ役の砂川涼子さんが良かったです。
実力も十分だし、外見も清楚な美人で役に合っていて、萌え~ (*´ロ`)

このミカエラ、メリメの原作には登場しないんですよね。
僕が原作を読んだのは、25年以上くらい前なので、もうほとんど覚えていませんが、原作とオペラとでの違いを比べて見るのも、より深い楽しみかもしれませんねえ・・・

オペラとしての音楽面と演出上のバランスから登場人物に加えたようですが、その意義については賛否あるようです。
カルメンとドン・ホセという破滅型の二大主人公に対して、堅実で安定的なキャラクターを設定することはとても有意義であることには間違いないですね。
ただ、その役割が弱すぎる感はあります。

僕は、男を振り回す悪女に全く魅力は感じず、ミカエラみたいな健気な女性が好きですね。

でも、この作品自体は、音楽性も高いし、ドラマ性にも優れていて好きですね。
改めて聞き直して、全体を通して隙がないんですよねえ。
有名な闘牛士やハバネラはもちろんなんですけど、全体と通して楽曲レベルが高いんです。

演出としても、音楽だけでなく、エンターテイメントとして楽しませてくれます。
途中のダンスも上手いなあ・・・と思っていたら、新国立劇場バレエ団がやってるんですね。
バレエ団も抱えている国立劇場ならではですね。

さて、本作は初演時時は評判が悪かったみたいです。
反道徳的かつ通俗的で、終わり方も後味が悪いから…というのが理由のようです。
徐々に人気が出ていったみたいですが、本当にヒットしたのは、ビゼーの死後のようですねえ。

ビゼーは、36歳で亡くなり、本作がオペラの遺作のようですが、もう少し長生きして、あと数作のオペラ作品を生み出していたら、オペラの世界はもっと広がったかもしれないと思います。
36歳で亡くなって、後世に名を残す名作をモノしているのだから、早世が惜しまれる!
『アルルの女』みたいな作品はあれど、僕みたいな一般人からすると、ビゼーは『カルメン』だけの一発屋として見られがちですからねえ。
百歩譲っても、その一発は、身震いするくらい凄まじく、素晴らしい一発であることは間違いありません。

ちなみに、カルメンはジプシー(いまはロマと言わないとダメなようですが)と思われがちですが、実際はジプシーに育てられたバスク人なんだそうですね。
ドン・ホセと同郷で、最初にドン・ホセがカルメンを逃がしたのは、色香に惑わされただけでなく、差別されている同郷人を助けるためだったとか・・・
あと、ジプシーと言っても、恋愛に関しては自由奔放とは必ずしも言えないようですね。
盗みはすれども、売春をしたり・・・と言ったこともあまりないそうです。

「カルメン=ジプシー」というのも、僕たちがフィクションから得ているジプシーのイメージも、実態とは異なるんですねえ。

『ドン・キホーテ』を見ても思うのですが、同じヨーロッパと言っても、スペインに対しては、欧州人はエギゾチックなイメージを抱くようですね。
日本人にとっての、沖縄、あるいは北海道のような存在かなあ・・・なんて思います。

さて、平日の公演のせいか、ちゃんとした身なりの人が多かったです。

カルメン02

それを見て「ああ、今日は平日だったっけ?」なんて実感してます。
良い感じで、無職生活に慣れつつあります。


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