昨日のことになりますが、国立劇場で『しらぬい譚(ものがたり)』を観てきました。
いやー、平日に観劇できるって、われながら優雅ですねえ。
お客さんは、じいさんばあさんと主婦らしき人たちが大半でしたが、ほぼ席は埋まっていました。
世の中には、平日に遊べる人が、意外にたくさんいるんだなあ・・・と思いましたよ。
本題ですが、国立劇場50周年事業で、なおかつ新春公演だけあって、役者陣も演出も豪華で、正月にふさわしい内容でした。
演目はさほどメジャーではないと思うんですが、現代でも面白く観られるように、コアな見どころがうまく編集されていました。
お家騒動をテーマにした、いわゆる勧善懲悪ものと言えるでしょうが、物語の展開が重層的で、うまくできてるんですよねえ。
化け猫との大立ち回りや、宙乗りのシーンはケレン味(宙乗りや早替りなど大掛かりで奇抜な演出)に溢れていて楽しいです。
僕は、歌舞伎ではこういうのが好きなんですよね、
ピコ太郎もどきが登場したりと、「ここまでやるか?」的な演出もありました、江戸時代の歌舞伎は大衆芸能で、お客さんを驚かせ、喜ばせるために演者は知恵を絞っていたわけですから、このくらいやっても全然やりすぎとは思わないし、逆に当時の大衆芸能としての活力を現代に生かしていると思いました。
菊之助の若亜姫の役も、怪しげな雰囲気が漂っていて、うまくはまってましたよ。
今年は初観劇でしたが、良いもの見せてもらったなあ・・・と思いました。
今年も良い年になりそうです。