最近の新国立劇場は、観たくて観れてこなかった古典名作が目白押しなので、結構通ってます。
今回は『セビリアの理髪師』。
モーツァルトの名作『フィガロの結婚』のシリーズ第一弾とでも言うべき作品です。
ただし、作曲されたのは『フィガロ』の方が先です。
『セビリアの理髪師』の方はロッシーニ。
天才、モーツァルトの後(約30年後)に、シリーズのオペラを作曲する心境はいかばかりものだろう?
そんなことを思ったりもしますが、曲は軽快で、まさにモーツァルトを彷彿とさせられます。
素人の身としては、「モーツァルト作だよ」と言われると、信じてしまったと思います。
舞台演出は現代アートを思わせるような色遣いで、モダンな雰囲気でした。
だからと言って、古典の風格を損なうものではない程度の品の良さを担保しています。
街頭と部屋の中が回り舞台で転換するので、スムーズに進行します。
あと、部屋の中は三階になっていて、構造も結構凝ってますね。
品がないけど、結構お金が掛かってるんだろうなあ・・・と思います。
公演は5日間しかないんですが、もったいない!!
ちなみに、本作は主役らしき主役はいません。
群像劇と言っても良いかもしれません。
あえて言えば、下記の4人が主役に、その周辺の数人の登場人物が織りなすドタバタ劇(?)と言っても良いでしょう。
アルマヴィーヴァ伯爵 マキシム・ミロノフ
ロジーナ レナ・ベルキナ
バルトロ ルチアーノ・ディ・パスクアーレ
フィガロ ダリボール・イェニス
誰かが傑出して上手いという感じはなかったですが、みんなレベルが高かったと思います。
物語自体は、荒唐無稽で無理があるところもあるのですが、オペラ作品としては、しっかり名作に仕上がっています。
席も満席で、休日にも関わらず(休日だからこそ?)、正装してきている人が多かったですよ。