ヘンリー四世1

『ヘンリー四世』@新国立劇場

シェイクスピア没後400年で、色々やっています。
死後400年にして、極東の国で自分の作品が演じられているなんて、シェイクスピアもビックリでしょうね。

ただ、やっぱり時間と国の違いというのは埋めがたい部分もあり、当時の英国人と同じように作品世界が楽しめるかというとなかなかそうはいきません。

今回の公演は、舞台がかなり広く取られていて、木材でやぐらのようなものが組まれていたりと、舞台演出が凝っていました。
普段はもっと座席数が多いので、座席を取り払って舞台にしてるんでしょうね。
それでも後ろの席は空席が目立ちました。
一か月近くにわたる公演ですから、常に満席というわけにはいかないんでしょうねえ。

舞台転換はないのですが、光の使い方の変化や、小道具でうまく見せていました。
冒頭に、舞台の中央に玉座があり、それが演劇の進行によって配置が変えられるんですが、それが王権の揺らぎの象徴になっているのかな・・・と思います。

あと、BGMにクイーンの曲が使われていました。
現代的なアレンジは加えられているものの、ストーリーやセリフは原作が生かされています。
新しい演出が古典劇に意外に馴染んでいて、違和感はありません。

タイトルは『ヘンリー四世』ですけど、主人公は必ずしもヘンリー四世とは言えませんね。

リチャード二世から王位を奪ったイングランド国王ヘンリー四世は王位簒奪の罪悪感で悩んでいた。
皇太子ヘンリー(=ハル王子)が放蕩三昧で悪さばかりしている。
さらに、反乱まで起きてくる。

国王の座についても、悩みは絶えないんですね。

これを、過去のイングランドの王権の物語と捉えると、縁遠い話に見えると思うんですが・・・

人間の権力闘争や、親子関係の物語と捉えると、普遍性がありますね。
現代にもありがちです。

シェイクスピアの面目躍如たるところは、フォールスタッフの存在です。
酒飲みで女好きで、名声欲の強い俗物なんですが、このトリックスター的存在がいることによって、視点が相対化されるんですよね。
いろいろと語られる役柄ではありますが、佐藤B作が演じていてなかなか素晴らしいです。

来週は第二部を観に行きます。

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