『杉本博司 ロスト・ヒューマン』で告知されていたイベントがあります。
野村萬斎×杉本博司“ディヴァイン・ダンス 三番叟 ~神秘域(かみひそみいき)~”公演スポーツ・文化・ワールド・フォーラム 公式プログラム文化イベント
*写真は上記サイトより引用。
展覧会のレビューはこちら。
東京都写真美術館の『杉本博司 ロスト・ヒューマン』が超掘り出し物の企画展!
こちらのイベント、ダメ元で応募してみたところ、見事当選!!
そんなわけで、行って参りました。
渋谷Bunkamuraのオーチャードホール。
2020年の東京五輪・パラリンピックなどに向けた「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」(文部科学省など主催)の文化イベントという位置づけになっています。
従って、日本文化を世界に発信していくという役割も担っているようで、英語のナレーションがあったり、パンフレットも日本語と英語の両方の解説があったりします。
ただ、僕の見る限り、観客はほとんど日本人だったようですが・・・
座席はランダムに割り当てられるようですが、1階の37列目と後ろから2番目の席でした。
ちょっと見にくいけど、無料なんだから文句は言えません。
野村萬斎×杉本博司というのはスゴイですね。
日本が世界に誇れるアーチストのコラボです。
さて、本公演は1時間程度と短めです。
Wikipediaによると・・・
三番叟(さんばそう)は、日本の伝統芸能。式三番(能の翁)で、翁の舞に続いて舞う役、あるいはその舞事。能楽では狂言役者が演ずる。
これまで、三番叟って舞踊の演目のことだと思っていたら、舞のジャンル(?)を示すんですね。
舞台装置は簡素ですが、雷をイメージした幕が下がっていて、光が当たって輝くしかけになっています。
野村萬斎の衣装も雷をあしらった独特のもの。
杉本博司は、モダンアートでありながら、伝統に根差した独特の世界観を持っており、野村萬斎の伝統芸能のみに囚われない多彩さとうまくマッチしていて、独特の世界観を醸し出していました。
ただ、三番叟かなり古い様式でもあるので、現代人にはなかなか分かりづらいところも正直ありましたね。
演出や舞台空間は現代性を取り入れつつも、舞の方は、あくまでも古来ゆかしき様式を守っています。
なので、現代人はそのまま楽しめるわけではなく、意図してその時間の流れに身をゆだねていくことで、古来からの意識の根源に遡行していくような、そんな公演だったと思います。
優れた作品だとは思いますが、パッと行ってパッと楽しめるような、分かりやすい作品ではないですね。
他の公演は予定されていないようですが、これ1回で終わってしまうのかな?
そうだとすると、もったいないですねえ。
ちなみに、開始前にステージの写真を撮ろうとしたら、係の人に「撮影禁止です」と注意されました。
公演中なら分からなくもないんですが、どうして会場内の写真撮影がダメなのか、良く分かりません。
いまは公演中でも撮影OKの舞台も出てきていますが・・・
2020に向けて、日本文化を発信していくのは歓迎すべきことですが、もう少し自由度を高くした方が良いんじゃないかなぁ・・・と思います。
日本はルールや規制が大好きですが、それを窮屈に思う外国人もいるんじゃないかなぁ。