決して好きにはなれないけど、才能は認めざるを得ない。
そんな人がいます。
僕にとっては、北野武がそうですし、岡本太郎もそうです。
美輪明宏もそうです。
新国立劇場に『毛皮のマリーを』観に行ってきました。
熊本地震の中ではありますが・・・
S席10000円と値は張りましたが、今回見ておかないと、生の美輪明宏は二度と見れない可能性もありますからね。
それにしても、ポスターのデザインが凄いですね。
昭和時代のキッチュな感じがグッドです。
入り口に花が大量に飾られていますが、送り主が凄い!
ここまで質量ともに錚々たる光景は、これまで見たことないです。
作品を観終わって、やっぱり美輪明宏の才能は認めざるを得ないなあ・・・と思いました。
あとは、原作の寺山修司ですね。
世界観、台詞回し、舞台演出、どれをとっても比較できる対象がないほど、非常に独特です。
2つの才能が絶妙に絡み合って、妖しい世界を醸しだしています。
現代では、むしろこういう作品は創れる人はいないんだろうなあ・・・と思いました。
さて、前半(第一部)は美輪さんの出番は少ないし、謎が明かされないままに話が進んでしまうので、「あれ、あれ?」って感じでした。
後半(第二部)になると、第一部を受けて世界がどんどん濃密になっていきます。
正直、美輪さんの体力が心配になるところもありましたが、オーラは凄いな・・・と思いました。
いまでこそ、LGBTの人権云々・・・と言われていますが、あの時代(1960年代)にホモセクシュアルの世界を堂々と描き出したのは凄いと思います。
逆に、世間的に認められていなかったからこそ、この世界が創れたと言えるかもしれませんがね。