歌舞伎役者と言えば、家系を重んずるイメージがありますが、歌舞伎役者の3分の2以上は役者の家系ではないそうです。

しかし、そういう役者は、主役を務める機会はほとんどないそうです。

それでも役者になりたいという人は、一体どういう人なんでしょう?

歌舞伎役者の中村梅乃さんの講演会に行ってきましたが、梅乃さんはまさにそんな役者です。

中村梅乃

講演会は、歌舞伎の見方、楽しみ方に関する部分もあり、そこはそこで非常に面白かったのですが、興味のない人には退屈かと思うので、割愛します。

さて、この梅乃さん、子供の頃折り紙が好きで、たまたま忠臣蔵の折り紙本を見つけて、夏休みの自由工作で作成。
その後、忠臣蔵に興味を持ち、歌舞伎を鑑賞。
中学生にして、歌舞伎座に通い詰め、役者になりたいと決意して、中学校を卒業すると同時に、国立劇場の研修生になった。
お父様は会社員だったそうですが、「反対された」とは言われなかったので、すんなり受け入れたんでしょうね。

歌舞伎役者の家系でない「一般人」が歌舞伎役者になるには、この道しかないそうです。

その後、中村梅玉の高砂屋に入門。
本格的に歌舞伎役者の道を歩みはじめます。
歌舞伎役者として早20年のキャリアを重ねるに至っています。

僕より10歳も下なのに、すでに20年のキャリアがあるんですねぇ。
中学校卒業と同時ですから、分からなくもないですが・・・

それにしても、中卒でこの道を選択するのはよほどの覚悟だったんでは?
と思います。

最初に書いた通りで、主役を勤めるのは歌舞伎役者の家系です。
これは差別でも、閉鎖的なわけでもなく、やはり役者の家系は実力も違うんだそうです。
物心着いた頃から舞台を踏んでいるわけですからねえ・・・

梅乃さんは、脇役であることに満足で、それに誇りを持っているとのこと。

そういえば、僕の中学生の頃、国語の授業で、一流企業に勤めていた会社員が文楽に魅せられて人形作りになった人の話がありました。
僕は、「良い話だなあ」と思っていたのですが、先生が「どう思う?」と生徒たちに質問すると、当てられた少年たちは、異口同音に「一流企業に勤めていたのにもったいない」と答えていました。
中学生にしてすでに守りに入っていて、なかなか将来が楽しみな少年たちでした(笑)。
きっと彼らは、そこそこの偏差値の大学を出て、そこそこの会社に就職して、そこそこの女性と結婚して、そこそこの人生を送っていることでしょう。

最後に、参加者から要望があって、女形の役を演じてくれましたが、その瞬間、空気がサッと変わるんですよね。
「ああ、プロは違うなあ」と感動しました。
講演の最後に、入り口でお客さんを見送ってくれましたが、その物腰には、現代人が失っている品の良さというか、礼儀正しさというか、そんなものがありました。

最近、ビジネスマンではない人の人生に影響を受けることが多いのですが、向かうべき方向は違うものの、今回学んだところは大きかったですね。


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