今回の上京の目的は、観劇と仕事でしたが、せっかくなんで美術館にも行ってみよう!
ということで、行ってきたのは、ブリューゲル『バベルの塔展』

これは絶対に行っておきたい!!
という展覧会はなかったんですが、いくつかの候補の中で、優先順位が高かったのが、この展覧会です。

結論から言うと、「当たり」でした。

ただし、結構混んでいて、土曜日の昼くらいに行って20分待ちでした。

こういう特定の作品の名前を冠した企画展は、「その作品以外はしょぼい」ということがありがちです。

本展覧会はどうかというと。。。

ブリューゲルの前の時代の画家の作品から始まり、ブリューゲルに至るまでのネーデルランドの絵画史を俯瞰しています。

最初のフロアーを見る限り、普通のルネサンス期の宗教美術が並んでいます。
美術マニアにとっては、イタリアルネサンスの影響を受けながらどう発展してきたか、みたいな点で興味深いかもしれませんが、僕にとっては、独自性が薄くてあまり食指が動く感じではなかったです。

ただ、フロアを上がってヒエロニムス・ボスの作品群になると、様相が一変します。
僕としては、ヒエロニムス・ボスはシュールレアリスムの先駆者としてもっと評価されるべきだと考えています。
今回の展覧会で、実物を見れたことは良かったと思います。

続いて、本丸のブリューゲルの作品です。
僕のブリューゲルのイメージは、「農村風景を描いた画家」だったんですよね。
なので、ボスの影響を受けた幻想的、怪奇的な作風を持った画家としては位置づけてませんでした。

ボス→ブリューゲルという系譜の中で作品の流れが見えたのは一つの発見ではあったし、バベルの塔のモチーフについても、先行する作品と比べて、ブリューゲルの想像力によって付け加えられた部分が分かるようになっていて、その豊かな創造性が浮かび上がってくる。

この流れをしっかりと見せてくれたところは、企画力の賜物だと思いますね。

あと、映像技術を駆使して、作品のディテールを切り出して見せてくれたり、東京芸大とコラボして実寸の3倍のレプリカを作成したりして、手の込んだ演出をやってくれています。

ちなみに、東京芸大でも連動した展示をしていて、バベルの塔のミニチュアとプロジェクションマッピングが体験できます。
展示は2つだけですが、こちらは無料なので、美術展に行かない人でも気軽に参加できます。

展示品の質 ★★★★☆ 有名作品は多くはないけど、時代の流れが良く分かる作品群。
展示数 ★★★☆☆ ちょっと少なかったかな。
雰 囲 気 ★★★★★ バベルの塔に至るまでの展示がしっかりしていて、作品世界に入り込めた。
演出&解説 ★★★★★ かなり凝ってて素晴らしかったですよ。
交  通 ★★★★☆ 上野公園内。上野駅からは少しばかり歩くけど、公園内なのでストレスはない。
入場料(CP) ★★★★☆ 作品数からすると、当日一般1600円は高めに見えるけど、作品質と演出の凝り方を考えると、安いとも言える。
総評 ★★★★☆ 企画、演出が優れており、他の企画展も学ぶべき良い美術展だった。

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