ミュシャ展01

『ミュシャ展』@国立新美術館

2週間前に行っていたのに、ついレビューするのが遅れました。
美術展のレビューは、僕としては書きたいんですけど、アクセスが少ないので、つい後回しになってしまうんですよね。

ミュシャは結構好きで、2013年に同じ六本木(森アーツセンターギャラリー)でやったミュシャ展も行ったし、プラハのミュシャ美術館にも行ったんです。
でも、今回展示されたスラブ叙事詩は知りませんでした。

こんな大作が晩年に描かれていたことは驚きです。

平日でしたが、会場は結構混雑してました。
幻の大作が来日するという、美術界にとっては、ちょっとした事件と言えるでしょうからねえ。

ミュシャ展03

スラブ叙事詩の一角のみ、撮影可でした。

ミュシャ展04

さて、僕にとってミュシャは、クリムトやシーレのような西ヨーロッパからやや距離を置いた場所で、独自の世紀末美術を作り上げた存在という位置づけでした。
なかでも、ミュシャはポスターとか雑誌の表紙とかにも使われていて、大衆的というか、商業的な側面が強いというイメージでした。

ミュシャをナショナリズム(この場合は、「愛国主義」ではなく、「民族主義」と訳すべきでしょう)と結び付けて捉えたことは、これまでありませんでした。
ミュシャの晩年は、スラブ民族主義という思想に憑りつかれ、壮大な連作をものしたんですよ。

それが「スラブ叙事詩」です。
この作品はスゴいですよ。

スケールの大きさに驚かされると同時に、ディテールを疎かにしない描き込み、構図の斬新さ、色々な点で画期的です。
一方で、神話や歴史を題材にしていて、古典的な風格も漂わせている。
描き方は、たしかに19世紀末美術であり、ミュシャらしさも漂っている。

ミュシャの出身国である、チェコに行ったときの驚きと近いものがあります。
「こんな美しい国をどうして自分はこれまで知らなかったんだろう?」と思うと同時に、西ヨーロッパ以上に歴史的風格を持ちながら、独自の雰囲気を漂わせているこの国に強く惹かれました。

そう考えると、ミュシャの作品は無国籍的なものではなく、出身地に強く根差しているんですよね。
土着性と普遍性という、両極を統合しようとした、挑戦的な作品だと思います。

ちなみに、展示は「スラブ叙事詩」だけではありません。
広くミュシャの世界を楽しみたい方にも行く価値のある優れた美術展です。

『ミュシャ展』@国立新美術館

展示品の質 ★★★★★ メイン展示の「スラブ叙事詩」は圧巻。
展示数 ★★★☆☆ 数は少ないですが、大作が揃っていて、物足りなさはありません。
雰 囲 気 ★★★★☆ 作品を立てながら、良い雰囲気を出してます。
演出&解説 ★★★★☆ 解説は少なめですが、ポイントが押さえられています。
交 通 ★★★★☆ 乃木坂駅に隣接。六本木からもさほど遠くはない。
入場料(CP) ★★★★☆ 一般1,600円は安くはないけど、質を考えると高くない。
総評 ★★★★☆ 「スラブ叙事詩」に5つ星をあげたい気持ちはあるけど、そこだけ際立っている感があるので-1しておきます。。

ミュシャ展02


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください