ナビ派展01

『オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき』@三菱一号館美術館

三菱一号館美術館に行くのは2回目です。
東京丸の内エリアという都心にあって、コンドル設計の洋風建築と中庭形式のスペースが美しく、都会のオアシスと言ってよい、良い雰囲気を醸し出しています。

ナビ派展02

ナビ派展04

内装もクラシックでなかなか良い雰囲気です。

さて、この美術館の展覧会は、超有名な画家や作品からは外れたものが多いんですけど、作品の質が高くて、発見感があるんですよね。
企画してる人の鑑識眼がかなり優れているんだと思います。

はじめて行った『ヴァロットン展』もそうだったんですが、これまであまり注目を集めていないが、実力があって、もっと評価されるべき、画家、あるいはテーマの企画展を行ってくれます。

今回の『オルセーのナビ派展』もそうでした。

ナビ派展03

『ナビ派』という名前は知っていたけど、「説明しろ」と言われるとできなかった。
改めて、学んだことを説明しておきます。
ゴーギャンの後継者の一派で、ナビ派は「預言者」を意味する。
展覧会のサブタイトルにあるような、現代美術の預言者的な役割を果たしたと言える。
ボナール、ヴュイヤール、ドニ、セリュジェ、ヴァロットンなどが、主要な画家です。

これらの人たちは、美術館で個別に鑑賞したことはあるのですが、ひとまとまりにして捉えたことがなかったですね。

ゴーギャンをはじめとする、後期印象派の流れを汲みつつ、浮世絵の平面性を取り入れたりして、新しい世界を開拓している。
近代美術から現代美術に至る、ある種、架け橋的な役割を果たしたと行って良いんじゃないかと思います。

ピカソやミロ、あるいはアンリルソー、カンディンスキー、シャガールなどと比べると、革新的な表現を開拓したとも、強烈な個性を放っているとも言い難いところはあるので、世間的にも美術史的にも注目を浴べることは少ないかもしれません。
でも、しっかりとした実力を持っていて、良い作品を創り出しているんですよね。

宣伝が足りないのか、マイナーに見えてしまうのか、お客さんは少なかったですね。
もっと集客をちゃんとやればよいのに・・・と思います。

『オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき』@三菱一号館美術館

展示品の質 ★★★★☆ 誰でも知っているような有名作品はあまりないですが、質は高いです。
展示数 ★★★☆☆ さほど多くはないです。
雰 囲 気 ★★★★★ クラシックな建築と美しい絵画のハーモニーが良いです。
演出&解説 ★★★★☆ ナビ派の美術史上の位置づけが良く分かる。
交  通 ★★★★★ 丸の内という東京の中心地にある。
入場料(CP) ★★☆☆☆ 当日一般1700円は相対的に高め。
総評 ★★★★☆ 展示数が少ない割に入場料が高いですが、中身のあるしっかりした企画展なので四つ星。

2件のコメント

  1. K.

    本展関係者のひとりです。残念ながら、宣伝、集客は全力でやっています。メディアの反応も良いです。でも、なかなか、一般大衆レベルにまでは届かないようです。たぶん、感度のいい美術好きの方々はもうすでに見に来られています。それ以上の集客をしようとすれば、膨大なコストをかけて(新聞社主導の新美術館や都美術館の大展覧会のように)、大々的に宣伝しなければなりません。
    三菱一号館は、小型の企業美術館ですので、予算規模からいっても、そもそもそのようなことは無理なのです。この規模、内容の海外展を催すだけでも膨大なコストがかかります。他方、日本の一般 の方々は、既に既知のものを確認したい、他の人が評価しているものを見たい、という欲望が強いので、一号館のようなコアでクオリティの高い企画を続けること自体が、数字的なコスト・パフォーマンス上は厳しい、冒険的なことなのです。他の館ではなかなか難しい、奇跡的なことのかもしれません。
    以上、御理解の上、これからも是非応援願います。

    返信
  2. bucketlist

    コメントありがとうございます。
    関係者の方に書き込みいただいて、光栄かつ恐縮です。
    たしかに、予算に限りのある中、宣伝だにも限界あるし、集客にも直結できるとは限らないんですねえ。
    一般客からすると、公営と私立の環境の違いは良くわからなかったりします。
    個人的には、人が少ない中でゆったり鑑賞できるのは良いことなのですが、どうしてももったいなさを感じてしまいます。
    いずれにしましても、今後も中身のある良質な企画を期待しております。

    返信

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