私はリコー(7752)の株主なのですが、デトロイト美術館(上野の森美術館)の株主向け内覧会が当選しました。
なんか、最近妙に運が良いです。
というか、もしかすると全員当選してるのかもしれませんが・・・
美術館は休館日で、株主だけ(?)に解放されますで、かなりガラガラでした。
午後半休を取って閉館の1時間半前に入ったんですが、同時に美術館にいたお客さんは30~40人くらいじゃないかと思います。
何と言うぜいたくさ!
しかも、写真撮り放題と来ています(ただし、SNSで拡散不可の写真もアリ)。
美術品って撮影NGなのがスタンダードなのかと思ったら、意外にそうでもないんですよね。
日本の美術館でも、現代美術は撮影OKのところがありますし、海外に行くと現代美術じゃなくてもOKのところはあります。
美術館側の規制なのかもしれません。
もちろん、混雑時にパシャパシャ撮影するのは迷惑だったりしますが、何でもかんでもNGにするのはどうかと思います・・・
まあ、僕個人としては、美術品はリアルで接触するから素晴らしいんだとは思っていますけどね。
(思い出、記憶として画像に残しておくことは個人としての意義も大きいと思う)
アメリカ合衆国が新大陸として発展をする中、文化面ではヨーロッパへのあこがれがあったのか、西洋美術を集めた美術館が各所にありますね。
デトロイト美術館というのは、自動車産業を中心とする工業産業の隆盛によって生み出されたお金を投じて作られたものです。
この前、ランス美術館がシャンパンビジネスからの儲けによるコレクションから発していることは書きました。
王政、貴族制が衰退した現代社会では、芸術のパトロンとなるのは企業や成功した経営者だったりします。
そういう意味では、芸術というのは、経済と切り離された純粋な営みではないんですよね。
さて、今回の展覧会です。
一言で言えば、「数は少ないが質は高い美術展」です。
50点余りの展示しかないですが、凡作はなく、質の高い作品が選りすぐられていますね。
作品は、前期印象派からピカソまでの、日本人が好きな画家の作品が集められています。
特に多かったのが、ドイツ表現主義の作品です。
ナチスドイツによって弾圧されたのですが、フランス絵画と比べると華やかさには欠けますが、内面に入り込んでいく自省的な作風を持っていて、ある意味現代的と言えるでしょう。
あえて苦言を呈させていただくと、作品数が少ない分、解説を詳しくするとか、映像を用意するとか、そういう工夫をもう少しして欲しかったですね。
作品の質が高いだけに、もう少し補完的な施策をやるべきじゃないかなあ・・・と思いました。
上野の森美術館は、上野の美術館の中では規模も小さくて地味ですね。
やれることに限界があるのは分かりますけど、もう少し創意工夫をして欲しいと思う美術館でもあります。
展示品の質 | ★★★★★ | 画集で見かけるような優れた作品がたくさんあります。 |
展示数 | ★★☆☆☆ | 1時間弱で一通り見れました。 |
雰 囲 気 | ★★★★☆ | 展示室ごとにトーンが変えられていて、こだわりが感じられました。 |
演出&解説 | ★★★☆☆ | もう少し詳しい解説が欲しかったなあ。 |
交 通 | ★★★★☆ | 上野駅から近い。 |
入場料(CP) | ★★☆☆☆ | 日一般1600円。展示数からすると、1200~1400円が適正価格でしょう。 |
総評 | ★★★☆☆ | 4つ星つけたいけど、美術館側にはもう少し努力してもらいたいのでマイナス1。 |