古代ギリシア時空を超えた旅1

特別展 古代ギリシャ ー時空を超えた旅ー

東京国立博物館の特別展は、外れがないというイメージがあります。
今回も良い展覧会でした。

古代ギリシア文明は、西洋文明の起源と言われています。
しかし、日本人にとって、古代ギリシアの理解には、二重の障壁があると思います。

ひとつは、距離の壁です。
日本は西洋文明の影響を受けているとはいえ、さすがに古代ギリシアは遠すぎます。

もうひとつは、歴史の壁です。
単純に時代を大きく遡る必要があるということ以上に、ルネサンス以降のギリシア文明観を適応して、古代ギリシアを見ています。
世界史の教科書自体がそうなんですよね。
ルネサンスがギリシア・ローマ文明の復興を目指したというのは間違いはないのですが、ギリシア文明そのものの復興したわけではないという点です。
例えが正しいかは分かりませんが、ジャポニズムが日本文化の影響を受けつつも、日本美術そのものではないのと同じことかと思います。

今回の展覧会は、その辺の障壁を取り払って古代ギリシアを見るのに有効な展覧会だと思いました。

古代ギリシア時空を超えた旅2

「古代ギリシア」というと、ギリシア神話をモチーフにした彫刻をイメージする人も多いと思います。
教科書にも載っている、ミロのビーナスとか、ラオコーンとかですね。

しかし、古代ギリシアの黎明期は、ギリシア神話の神々をモチーフにしていなかったんですよね。
ギリシア文明も時代や場所によってかなり異なるのです。
実際、ギリシアという国家があったわけではなく、ポリス(都市国家)が乱立していたんですよね。

しかも、ギリシア文明を継承したのが、マケドニアのアレクサンドロス大王だったり、ローマ帝国だったりする。
「日本文化」は「日本」という国家と一対一に対応しているというのが正しいかどうかはさておき、近似的にはそれが成立すると日本人は考えています。
ギリシア文明というのはそうではないので、日本人には理解しづらいのかもしれません。

今回の展覧会は、その辺の多様性をちゃんと切り出してくれていて勉強になります。
展示の品々も、ほとんどが日本初上陸ということで、見慣れない作品ばかりでしたが、逆に新たな一面を照射してくれているとも言えるかもしれません。

リオ五輪、東京五輪を前にして、プロモートも兼ねているのか、オリンピックの展示が多かったですよ。
水面下で何か力が働いてるんでしょうか?

古代ギリシア時空を超えた旅3

あと、写真撮影スポットが聖闘士星矢でした。
ギリシア神話がモチーフなのは分かるけど、ちょっと唐突感がありました(笑)
古代ギリシア時空を超えた旅4

作品の質  ★★★★☆(有名作品はないが、質は高いと思う)
作 品 数  ★★★★☆(結構多いです)
雰 囲 気  ★★★☆☆
演出&解説 ★★★★☆(オーソドックスで分かりやすかった)
交  通  ★★☆☆☆(駅からちょっと遠い)
入場料(CP) ★★★☆☆(一般1600円は高めですが、質量を考えるとこんなものでしょうか。チケットショップで招待券が安く売ってると思いますので、利用しましょう)

総  評  ★★★★☆


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