上野の『ポンピドゥーセンター傑作展』(東京都美術館)に行ってきました。
美術館別の展覧会は、「いずれ本場に行くから、ムリして行かなくていいや!」と思っているのですが、友達(♀)から誘われたので、行ってきた次第です。
結論から言うと、なかなか良かったですよ。
1906年~1977年まで、各年その年に創られた作品を1作品ずつ展示するという企画です。
どうして、1906年が起点になっているのはかは良く分かりません。
展示によると、フォービズムがパリで衝撃を与えた年とのことでしたが・・・
終点の1977年は、ポンピドゥーセンターが開館した年です。
ちなみに、ポンピドゥーとは、ドゴールに続き、第19代のフランス大統領になった方。
しかし、この頃のフランスの大統領は、文化人が大統領になっていてスゴイですね。
日本では、「安倍センター」とか、「森喜朗センター」みたいな芸術拠点が生まれることはありえないと思います。
閑話休題。
今回の展示で、面白かったのは、同じアーチストは1度きりしか出てこない、作品とともにアーチストの言葉も表示されているという点です。
ピカソ、マチス、シャガールといった、有名画家の作品もあるのですが、無名の人の作品も結構いいものがありましたよ。
時系列順に展示はされているものの、時代性よりも作家や作品の個性が強いため、時代の変遷を追っていくのは難しかったですね。
ただ、第2次世界大戦が大きな転機になっているという点は良く分かりました。
第2次大戦中とその直後は政治色が出た作品が多いです。
さらに、第2次大戦から時代が下るにつれて、ポップアート色が強まり、パリというか、フランスというか、ヨーロッパというか、その辺の色が薄れていくんですよね。
展示では明示されていませんが、芸術の拠点がパリからニューヨークへと移っていったことが示唆されます。
レベルが高い割にはあまり混んでないですし、オススメの展覧会ではあります。
展示の質 ★★★★☆
展 示 数 ★★★☆☆(70点強と多くはないけど、少ない感じはしません)
雰 囲 気 ★★★☆☆(まあ普通でしょうか)
演出&解説 ★★★★☆(見やすい展示でした)
交 通 ★★★☆☆(上野駅から多少歩きます)
入場料(CP) ★★★☆☆(一般1600円は高めですが、質は高いのでまあ妥当かと)
総 評 ★★★★☆
鑑賞を終えて、早々に上野のタイ料理屋で飲んでいたら、国立西洋美術館が世界遺産に登録されたというニュースが・・・
最近、世界遺産がインフレ気味なので、単純に喜んでいいのかは分かりませんが、上野がもっと芸術拠点として整備されればいいなあ・・・と思いました。
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こんにちは。
私もポンピドゥー・センター傑作展を見てきましたので、興味を深くブログを読ませていただきました。ご指摘のように今回は20世紀美術を制作年代順に配列されていて、作品はそれぞれ個性的で、そのうえ傑作ぞろいで、アートの様々な表現を楽しめました。120世紀美術を、○○派という画家のグループが定着して発展を溶けていったわけではなく、フォービズム、キュビズム、抽象芸術などいろいろな表現が挑戦され模索され、美術界は百花繚乱で混とんとしていた中で、たくさんの芸術家が様々な表現で自らの美意識を主張し合うっているのを肌で感じ、楽しめる美術展でした。
今回ポンピドゥー・センター傑作展を見て、個々の作品の魅力を整理するとともに、20世紀美術の多様な表現の意味とその芸術の本質について考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。
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コメントありがとうございます。
なるほど、ご指摘の件、勉強になります。
ブログも拝見しました。個別の作品をそれほど深く見れていないところもありましたので、参考になります。
今後もいろいろと参考にさせていただきます!