東京都現代美術館「キセイノセイキ」展のレビューです。
キセイノセイキ2

同時に「ピクサー展」が開催されていたのですが、こっちは90分待ちとかで行列作ってました。
「キセイノセイキ」の方は、ガラガラ・・・とは言わないまでも、かなり空いていました。

改装で長期で閉館するみたいで、その前の最後の展覧会となります。
もっと、大々的にやればよいのに・・・と思うわけですが。
まあ、そっちはピクサー展に譲ったということか(!?)

タイトルが分かりにくいですが、「キセイノセイキ」を普通に解釈すると「規制の世紀」となるかと思います。
キセイ→既成でも成り立つとは思いますが。
あえてカタカナにしているのは、解釈に幅を持たせるためでしょうが、展覧会の内容を見る限りは、「規制の世紀」と読むのが最適かと思います。

いぜん、会田誠の「会田家の檄文」の展示の是非を巡って問題になりました。
最終的に展示を取り下げなかったのは、英断だったと思います。

今回も、それに勝るとも劣らない、挑戦的な展覧会だったわけですが・・・

入り口を入ると、いきなりスミルノフをガブ飲みする少女が展示されてます。
キセイノセイキ1

いきなりこれだと、期待が高まります(笑)

でも、入ってみると・・・

あれあれっ??となります。

実は、この展覧会、アーチストと展示に関して揉めて、展示のできない作品が出たり、展示方法が変わったりしているとは聞いていますが・・・

例えば、フェンスの展示がありますが、当初は「乗り越えられるフェンス」というコンセプトだったようですが、お客様の安全のために上っちゃダメになったとか(苦笑)

キセイノセイキ3

包丁が壁に突き刺さった展示も、安全のために、透明なプラスチックで囲われていました。
それぞれの展示室では、学芸員が配されていて、お客さんがヘンなことをしないように見張っています(!?)。

うーん。これってなんだろうな?

展示の主旨を見るに、「社会の規制を可視化して、それに対して異を唱える」ということだと思ったのですが。

美術館自体が表現の規制をする結果になっている。
非常にねじれた構造になってしまっているなあ・・・と思いました。
それを踏まえて、あえて自虐的な表現をしているのであれば、すごいなあ・・・とは思います。

あと、展示の多くが20世紀的な、戦争や国家による弾圧的な表現をしている。
でも、現代の日本でやるのであれば、フーコーが唱えているような「規律訓練型システム」、つまり、規制や権力が内面化している社会を、より現代にあてはめて表現すべきではないかと思ったりもします。

ネット監視で相互にバッシングし合う社会とか
人目を気にしすぎて個が出せないジレンマとか

僕が見る限り、そういう作品はなかったかなあ・・・と思います。

ただ、いくつかハッとするものもありました。

高田冬彦氏の、自分でスカートをめくりながら、下半身を露出させて白鳥の湖を踊る映像(!?!?!?)。

あと、ウォーホルのマリリンモンローをトリビュートした作品も良かったですね。

いずれにしても、アーチストの自由な表現を美術館が規制をしている。
そして、美術館のその向こうには、PTA的な消費者と、社会制度が存在する。
そういうことを思わされた展覧会でした。

これからのアーチストが、自由な表現ができる場所は美術館ではないのかもしれません。
そういう意味で、美術館は、これから博物館化するんでしょうねえ。
まあ、英語ではどちらもMuseumですからね。

良くも悪くも考えさせられる展覧会であったことは間違いない(笑)。

東京都現代美術館『キセイノセイキ』

作品の質  ★★★☆☆
作 品 数  ★★★☆☆ (常設展も見られることを勘案しての評価。ただし、常設展も閉まっているところが多かった)
雰 囲 気  ★★★☆☆
演出&解説 ★★☆☆☆
交  通  ★★☆☆☆
入場料(CP) ★★★☆☆ (常設展も見られることを勘案しての評価)

総  評  ★★☆☆☆ (常設展は含めない評価。常設展含めると★★★☆☆)


2件のコメント

  1. 北野

    こんばんは。初めてブログを拝見した通りすがりの者です。
    展示室に配備されているスタッフの方を学芸員だとご指摘する表記がありましたが、
    あの方々は派遣会社に所属されている監視員さんです。
    他の博物館・美術館も同様ですが、学芸員と誤解されている方が多いので、
    恐れながらご進言いたしました。
    今後、少しでもご留意いただければ幸いです。
    お邪魔致しました。

    返信
    • bucketlist

      北野さん。
      はじめまして。
      ご指摘ありがとうございます。
      監視員だったんですね。
      知りませんでした・・・

      返信

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