『パラサイト 半地下の家族』を観てきました。

韓国映画なんですが、カンヌ国際映画祭の最高賞である、パルムドールを受賞したのみならず、アカデミー賞は作品賞を含む6部門にノミネートされるという快挙を成し遂げてます。

カンヌはわからなくもないのですが、非英語圏のこのタイプの作品がアカデミー賞6部門にもノミネートされるなんてこともあるんですねぇ。

どんだけすごい映画なんだろう?

と興味津々で観てきたのですが・・・

映画賞の受賞、ノミネートが独り歩きしている感はありますが、たしかにかなりすぐれた作品です。

*** ここから多少ネタバレあり ***

物語は、半地下に暮らす貧困家族の息子が、ひょんなことからお金持ち家庭の家庭教師に滑り込み、徐々に貧困家族全員が金持ち家族に取り入ってパラサイトする・・・という流れです。

ここまでが前半ですが、ありきたりとは言わないまでも「あまり珍しくもない展開だなあ」と思いました。

この路線で行けば、

展開1.貧困家族が金持ち一家の財産を奪い取ろうと画策して、様々な攻防が繰り広げられる

展開2.貧困家族の金持ち家族への介入によって、金持ち家庭が崩壊していく

のどちらかの展開が起こるんだろうなあ・・・と思っていたのですが、見事に裏切られました。

貧困家族の方は、家族の絆は結構強くて、みんな根本的な悪人ではないけど、お金のために悪いことをしてしまいます。

金持ち家族も、な善良な人たちで、家族関係には多少の危うさは多少ありつつも、家庭はしっかり成り立っています。

両者の家族同士もそれなりにうまくはやれているんですよね。
(金持ち一家の方は、貧乏家族が家族であることは知りませんが)。

*** ここからさらにネタバレあり ***

その関係を壊すのが、新たにあらわれる「地下室の家族」です。
ただ、この人たちも別に悪人ではないんですよね。

地上(金持ち)、半地下(貧困層)、地下(さらなる貧困層)という、格差の三層構造になってるのが、この映画の特徴でもあり、ストーリ構成の秀逸なところでもあります。

エンターテイメント性の強い作品ながら、社会的なテーマにしっかり立脚していて、さらに多様に解釈できる芸術的な要素も盛り込まれているので、カンヌからアカデミー賞まで広く玄人層に評価される作品であることはうなずけますね。

「悪人がいないにもかかわらず、格差が家族に悲劇をもたらしてしまう」という仕立ては、ハリウッド的な勧善懲悪を超えた深みに達していますね。

あと、「臭い」というが重要なキーワードになりますが、お金持ち家族は、お金のない人を蔑んだり、バカにしたりはしないんですが、彼らの「臭い」がどうしても気になってしまうんですね。

これは、そのままの臭いの意味もあるんでしょうが、貧困層にとっては「どんなに取り繕っても消えない」、お金持ちにとっては「どうして気になり、受け入れがたい」貧困の証を意味していると思うんですよね。

単純にお金の多寡の差に留まらない、「格差の壁」が提示された、いろいろ考えさせられる作品だと思います。

深く考えず、単純にエンターテインメント作品として観てもらっても面白い作品です・・・
と言い切るには、ちょっとエグ過ぎ、重すぎかも(!?)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください