アルキメデスの大戦

最近、日本ってもうダメなんじゃないかなあ・・・と思うんですよね。

1990年代~2000年台の初頭くらいまでは、「いまは景気が良くないけど、いずれ回復して、再び日本は経済大国として世界に多大な影響を及ぼすようになるだろう」なんて甘い期待を抱いていたんですよね。

でも、いまやそれは幻想に過ぎなかったんじゃないかと思います。

日本人は優秀だと思うし、日本はそれなりに良い国だと思います。

ただし、日本は世界で覇権を握る程の器はないんじゃないかと思うんですよね。
島国で、大陸から隔たれていて、文化においても、政治においても、経済においても中心にはなれない国なんだと思います。

世界の覇権を握った島国といえば、イギリスがありますが、イギリスはヨーロッパ大陸にすぐ近く、政治的、文化的には島国とは言えないですね。

太平洋戦争直前、あるいはバブル崩壊前の日本の勢いは凄かったわけですが、その後、すぐに衰退してしまった。

前置きが長くなりましたが、『アルキメデスの大戦』を観てきました。

最初は観る予定はなかったんですが、映画館の会員デーで割引価格で観れるので、「何を見ようかな?」と探したら、この作品が凄く評価が高かったので、突如本作を観ることに決定。

若き天才数学者が戦艦大和の建造費の虚偽を暴くことで、戦争を防ごうとする・・・というストーリーです。

史実をベースにはしていますが、同名のマンガが元になっているだけあって、フィクション性も高いですね。

菅田将暉が演じる主人公の櫂直は、現代の「理系の変人」のイメージを体現しすぎている感があるし、あまりに現代人的な考え方をしているので、最初はちょっと違和感はありましたね。

ただ、物語が進んでいくにつれて、作品の世界にのめり込んでいってしまいました。

史実としては、戦艦大和は作られるし、日本は第二次世界大戦にも参戦してしまうので、結末はわかってしまいます。

ただ、僕たちが知っている結末にたどり着くまでに、何度もどんでん返し的な展開があって、それが良く練れているんですよねえ。

いずれにしても、戦艦大和みたいな、無用の長物を、莫大な予算を費やして作ってしまうというダメさは、現代の日本に通じるところがあるんですよねえ・・・

この作品自体、歴史を検証しようという意図よりは、現代の日本人のメンタリティーを描きたいというのがある気がします。

要するに、数字を用いて合理的、客観的に判断しようとせず、政治や人間関係、その場の空気感で意思決定がされてしまうという慣習ですね。

あとは、勝ち目がない戦いにも、思い込みと根性論で挑んでしまい、負けるとわかっていても撤退することができない。

現代日本の政界、会社でもこういうところって根強く残っているんですよねえ・・・

まあ、第二次世界大戦の戦勝国であるアメリカはトランプ大統領が誕生し、イギリスはEUの脱退を決めてしまっていますから、英米の方が功利主義的とも合理主義的とも言えないとは思いますが・・・

でも、やっぱり彼らは戦争は手馴れているし、世界の覇権を握ったことがある国なので、日本人よりは対極的に判断できるし、合理的判断もできるんですよね。

そう言えば、アメリカには原爆を作ったオッペンハイマーがいたし、イギリスにはナチスドイツの暗号を解読したアラン・チューリングがいました。
少なくとも、英米は理系の天才を戦争で有効活用することはできたんですよね。

理系の優秀な人材がGAFAに行ってしまう、最近の日本の現状を見ても、日本社会ってデータやロジックを活かすのが苦手な国なんだなあ・・・と思うわけです。

さて、映画『アルキメデスの大戦』ですが、僕としては『天気の子』よりも良策だと思いますよ。興行収入では全然負けてるでしょうけどね。


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