セルゲイポルーニン

映画レビューです。

『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』

現代の若き天才バレエダンサーのドキュメンタリー映画。

史上最年少で英国ロイヤルバレエ団のプリンシプルに昇進しながら、脱退。
体に入れ墨を入れたり、ドラッグやったりと、「問題児」としても知られています。

表面だけ見ると、豊かな才能を持ちながら、それに奢って身勝手な行動を取っているワガママな男・・・という印象を受けます。

この映画は、セルゲイ・ポルーニンの生い立ちから追っていて、表面的なイメージが覆されます。

豊かとはいえない家庭に育ち、家族が協力し合って、セルゲイ・ポルーニンをバレエ学校に行かせて、才能を伸ばしてやる。
その親の姿は、感動的ではあるけど、父親が出稼ぎに行き、家庭不在になってしまう。
母親は、息子に過大な期待を抱くがゆえに、厳しい態度を取り、息子との間にも確執が生じる。

セルゲイ・ポルーニンがダンサーとして成功すると同時に、両親が離婚し、「家族のために踊る」という目標を失ってしまう。

そういう家庭環境の裏側もしっかり見せてくれつつ、天才ならではの苦悩みたいな部分も垣間見せてくれます。

彼は、もともとクラシックバレエの窮屈な世界には嵌らない人だったんでしょうね。
バレエ団の枠を外れてからの踊りを見ると、そう感じます。

彼は、バレエに見切りをつけて引退を決心するけど、実は踊ることそのものに倦んでしまったというよりは、既存のバレエの枠に嵌ることを拒んでいたというように思えます。
BBCの制作ということもあり、ロックミュージックが使われていたりして、作風が英国風ですね。

東欧ロシアの重層的な部分と、西欧的なポップな要素が入り組んでいて、作風もセルゲイ・ポルーニンという多面的なダンサーを表現するのにフィットしてる感じもあります。
何よりも、豊かな才能を持つ人ってその人が登場するだけで十分絵になってしまうんですねえ。

1時間半弱の短い作品ですが、バレエ、ダンスに興味ある人にはぜひ見てもらいたい良作ドキュメンタリー映画です。


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