少し前に観た映画のレビューとなります。

パキスタン映画の『娘よ』

娘よ

沖縄でこんな映画が上映されるなんて、凄い!
さすがは桜坂劇場です。

実は、10年ほど前にパキスタンに行ったんですが、全然発展してなかったです。
パキスタンはインドと仲が悪くて、現地でも「インド人はケチで高慢で最悪だ」みたいな悪口を良く聞きました。
で、さっきまでインドの悪口を言っていた男が映画館の前を通った時、「インド映画やってるな。インド映画は最高だぜ。パキスタンの映画は詰まらん」と言ってました。

まあ、日本も、原爆を落とされていながらも、アメリカ文化に浸食されてますし、韓国と仲悪いけど、韓国ドラマは流行ってたりしますからねえ・・・

さて、そんなわけで、パキスタンは映画後進国だとこれまで思ってました。
実際そうなんでしょうが、この映画はレベルが高い!!

撮影技術が優れていると思いました。
特に、光の使い方がうまくて、貧しいパキスタンの農村風景が美しく見えるんですよね。

一方で、ストーリーは、パキスタンならではというか、発展途上国ならではの内容になってます。

部族同士の抗争をまとめるために、10歳の娘が相手の部族の老人に嫁がされることになる。
それを不憫に思った母親が娘を連れて逃亡し・・・

という話。

日本や欧米では、起こらないような設定です。

イスラーム社会の習俗は「旧式で野蛮なもの」と捉えられることが多いですが、僕は国というか、文化によって、ルールというか、考え方は異なるので、違う文化に身を置く人が、他の文化を安直に批判してはならないと思っています。
未成年の少女が強引に嫁がされることに対しても、外の世界に身を置く者としては一概に批判できないと考えています。

ただ、こういう映画が創られているのをみると、パキスタン社会も内側から変わりつつあるんだなあ・・・
とヒシヒシと思いますね。

女の自我が目覚め、自分の意思で行動することを志向する時代が来ているんでしょうね。
そうした中で、古い慣習、およびそれを墨守しようとする男たちと摩擦が生じてしまう。

まさに、時代のはざまで自分の生き方を模索する女性の物語と言ってよいと思います。

まあ、僕が現地で出会ったパキスタン人は、こういう映画は見ずに、インドのエンタメ性の高い映画を観てるんだろうなあ・・・
と思います。

前回レビューした『すれ違いのダイアリーズ』もそうですが、これまで映画のレベルが高いとは思えなかった国から、才能を持った映画人が頭角を現してきてる気がします。

素晴らしきタイ映画『すれ違いのダイアリーズ』(1145本目)


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