那覇に来て、はじめて劇場での映画鑑賞。

作品は、カンヌ映画祭のパルムドール(最高賞)を受賞した『わたしは、ダニエル・ブレイク』

わたしはダニエルブレイク

那覇市に映画館は3つ(たぶん)ありますが、いちばんトガっているのが、本作を上映していた桜坂劇場です。
名前も良いし、劇場の雰囲気も下北沢っぽいです。

さて、作品の方です。
カンヌのパルムドールに相応しいかどうかは、議論の分かれるところだとは思います。
カンヌ受賞作にしては、奇を衒ったところがなくて、シンプルで直球勝負な感があります。
ただし、良作であることは間違いない。

59歳の老境に差し掛かりつつある男が、心臓の病によって医者から仕事を止めるように言われるが、官僚的な事務に阻まれて、なかなか公的支援が受けられない。
そんな中で、同じ苦境にあるシングルマザーと二人の子供と知り合い・・・

というストーリーです。

貧しいながらも、人との絆を大切にする心温まる物語・・・のようにも見えますし、実際にそういう要素もあるんですが、それだけではありません。
それだけだと、紋切り型の感動モノに終わったと思います。

イギリスの労働問題や社会制度の不備への告発といった側面もあり、社会的テーマを帯びた作品でもあります。
実際に、こうした問題はイギリスで存在しているようですね。

『下流老人』という本でも述べられていましたが、日本においても、生活保護を受けるべき人が、手続きの煩雑さや複雑さ、行政側の周知不足で受けられていないという実態があるようです。

先進国における、所得格差と貧困の問題と言うのは、イギリスによらず、現代的かつ一般的な問題でもあります。
この映画の世界は、われわれ日本人にも他人事ではないんですよねえ。

ワタクシごとで恐縮なんですが、会社を辞めたあと、区役所やら、年金事務所やら、税務署やらを行脚する必要があったんですが、窓口の人は結構親切で、丁寧に教えてくれたし、ちゃんと事務手続きもやってくれました。
映画の中の主人公のように、お役所的な形式主義に振り回されることはない・・・とは言えないまでも、それほど多くはなかったです。
不愉快な思いをしたことも(少ししか)ありませんでした。
日本はまだマシなのかもしれませんね。

さて、本作は社会問題と、個人の人生の2つの要素がバランス良く描かれている点が、評価のポイントだったんかな、と思います。
貧困に陥っても、人と人とが連携しあって、尊厳を持って生きるべき。
そんなことが、メッセージとして込められていたと思います。


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