沖縄に行く前に、沖縄を舞台にした映画でも観たいなぁ・・・

そんなことを思いつつ、「この前みた『彼らが本気で編むときは』がなかなか良かったなあ・・・」

じわっと来る『彼らが本気で編むときは』(1105本目)

そういえば、荻上直子監督の『めがね』は観てなかった!!

ということに、気づかされました。

『かもめ食堂』は結構はまったんですが、なぜか次作の『めがね』は観てなかった。
上映していることは知っていたし、「観に行きたいなぁ」とは思ってたんですが・・・

そんなわけで、やっとDVDで観ました。

厳密にいうと、このロケ地は沖縄ではなく、与論島(鹿児島県)です。
ただ、自然や文化は沖縄で、ガイドブックでも沖縄に含まれて紹介されることが多いです。

映画の方ですが、『かもめ食堂』のゆっくり感というか、まったり感というは、そういうのがさらに加速(減速?)した感がありますね。

主人公のタエコが、旅で南の島のハマダという宿に行きつき、そこに集うフシギな人たちと交流し・・・

みたいなストーリーなんですが、事件らしい事件は起こりません。
人間同士のぶつかり合いが起きるわけもなく、秘められた過去が明らかになるわけでもない。

沖縄を舞台にした『深呼吸の必要』という映画があります。
これも、ゆったりとした良い映画なんですが、こっちの方は、まだ人間ドラマがあるし、その中で、登場人物の心の傷や悩みが浮き上がってきています。

『めがね』の方はそれが全然ないんですよね。
でも、それで退屈かというと、全くそうじゃないから不思議です。

それぞれのシーンが美しく、丁寧に取られているのもあるし、セリフひとつひとつに含蓄というか、含みがあって、観る人にいろいろ想像させるんですよね。

もたいまさこが主導して、島民が毎日やる「メルシー体操」というのがあるんですけど、この体操は変なんだけど、微笑ましくて目が離せない。
要所要所にご飯や食べ物のシーンが挿入されていて、豪華ではないけどおいしそう。

登場人物のキャラクターも、実はかなりうまく設計されていると思うんですよね。
例えば、シンゴジラで尾頭ヒロミ課長補佐役で、ヘンな人気を集めた、市川実日子さんが演じる、ハルナという登場人物がいます。
一見、ツンツンしていて近づきがたいキャラなのに、ダラダラした生活を送っている。
おせっかいかと思うと意外にそっけないところもあるキャラクターとか、その辺が文切り型ではなくて、リアリティーがあるんですよね。

荻上監督は、緻密に計算してやっているのか、自然にそういうことができてしまうのかわからないんですが、独特の才能を持っていることは間違いない。

ハリウッド系エンタメ映画にあるような、ハラハラドキドキ感を映画に求める人には向いていないかもしれないけど、美しい風景の中でゆったり過ごした感覚が味わえればそれで満足! という人には適した映画です。

『彼らが本気で編むときは』は良い映画なんですが、荻上監督の持ち味の、ゆったり感というか、まったり感というか、そういうのが失われている感じはします。
良いシーンがあっても、それを引っ張らずに、次のシーンに移ってしまうんですよね。
普通の映画であれば常套なんですが、初期の荻上作品はそれをあえてせずに、時間を引き延ばすことで独特の雰囲気が生まれます。

メジャー化、商業化していくと、色々な制約やら、しがらみやら、プレッシャーやらで自由に撮れなくなっていくところもあるんでしょうが、監督の持ち味は、しっかり出していってもらいたいと思います。
これからに期待ってところかな・・・


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