会社を辞めて、見逃していた旧作映画をちょっとずつ観ています。

『ツレがうつになりまして』

劇場に行くまでもないかな・・・というくらいの作品でしたが、会社員時代に観ておいた方が、共感できたかも。

丁寧に作られた誠実な映画でした。

実体験を元にした細川貂々の人気コミックエッセイの映画化。

淡々としていて、盛り上がりがある作品ではないのですが、宮崎あおい、堺雅人という、実力派俳優がしっかり演じていて、退屈はしませんね。
むしろ、日常のひとつひとつの出来事や、主人公や周囲の人たちの言動がしんみりきます。

堺雅人演じる、通称ツレ(夫のことを妻はこう呼んでいる)は、PC関連の会社に勤務するサラリーマンだったが、うつ病だと診断される。
妻はそれに惑いつつ、夫を支えながら、それをネタにマンガ作品として仕立て・・・

という話。

会社でのストレスや、ツレが鬱になった時の周囲の反応って、良く分かります。
いまなら、「鬱になったら休めばいいじゃない」と思いますが、会社員の時はそうは思えなかったんですよね。

実は、僕の知っている人にも鬱の人が数名(ちょうど片手で数えられるくらい)います。
これだけいるということは、世の中にはかなり多くの鬱病の人がいるはずなんですよね。

「心が弱いからなるんだ」「鬱病で会社を休むのは負け組」みたいな意識って依然としてあるし、僕自身もそう思っていた節がありました。
ただ、身近な人で、仕事も人間性もちゃんとしている人が、鬱になっていたりするのを見ると、考えを改めざるを得ませんでした。

「誰にでもなる、現代の病なんだなあ・・・」と。

調子が悪いときに、「鬱かも」とか「俺、鬱病だよ」とか気軽に言ったりしますけど、鬱病って本当に辛いみたいですね。
しかも、外見上は分かりにくいから、周囲の理解も得づらい。

でも、本作は鬱病の苦しさを描いたものというよりは、妻をはじめ、それを支える人々のあたたかさが強調されていて、観ていて気持ちは良いですね。
とくに、夫の鬱病が、夫婦の愛情を見直すきっかけとなっている。

皮相な言い方ではあるけど、夫の病気のおかげで、奥さんがメジャーデビューできたところもありますからねえ。
苦境から多くを学びつつ、ピンチをチャンスに変えることができています。
だから、けっして暗い気持にはならないし、ほのぼのとした読後感を与えてくれます。

こういう映画がつくられて、ちゃんと見られているというのは、鬱病患者に限らず、現代人にとって共感できるところが多々あるからでしょうね。
映画としての価値もありますけど、ストレスを抱える現代人は観ておいてよい作品だと思いますし、色々と考えさせられます。


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