「TOHOシネマズの日」(3月14日)に観たもう一本の映画のレビューです。

『素晴らしきかな、人生』

素晴らしきかな人生

『プラダを着た悪魔』のデヴィッド・フランケル監督。
ウィル・スミス、ケイト・ウィンスレット、キーラ・ナイトレイ、エドワード・ノートン、ヘレン・ミレンらの実力派俳優陣が支えています。
話題性は十分だと思うんですけど、日本では特に話題になっている感じもないですねえ。

でも、さすがに良い映画でした。

ニューヨークの広告代理店で代表として大成功をおさめたハワード(ウィルスミス)だったが、妻を失ったことで大きな喪失感を抱く。
人生を見失ってしまったハワードと、会社の行く末を心配する部下3人が結託して、3人の舞台俳優を雇ってハワードと会社を良い方に導こうとするが・・・

というお話。

ちなみに、1946年のフランクキャプラ監督に『素晴らしき哉、人生』という映画があります。

歴史に残る名作映画で、「善良なるアメリカ」という、いまは失われてしまった、古き良き時代が描かれてます((当時、本当にそうだったのかは知らんけど)。

漢字が開かれているだけで、タイトルは同じ。
リメイクではありませんし、作風はかなり違います。
ただ、本作を下敷きにしているのは明らかですが。

ちなみに、英語タイトルは、『素晴らしき哉・・・』は”It’s a Wonderful Life”。
新作の『素晴らしきかな・・・』は”Collateral Beauty”。
全然違います。

”Collateral Beauty”は作品中で「幸せのオマケ」と訳されて、何度も使われています。
邦題だと、このつながりが見えません。
邦題は「幸せのおまけ」でいいんじゃないかな。
あるいは、「幸せのおくりもの」。

”Collateral”は「付随する」とか「担保」とか言う意味です。
『コラテラル』『コラレテラルダメージ』なんて映画もありましたが、受験英語では習いませんでした。

何故、タイトルにこだわるかというと、”Collateral Beauty”が映画の主題だからです。
「人生は不幸に見舞われることもあるけど、それに付随した幸せもある(はず)」という意味かな?
と僕は解釈しました。

本作が安心して観れるのは、悪人がいない点です。
基本は、みんな善人なんですよね。
だんだんストーリーが進むにつれて分かってきますけど、主人公のハワードだけでなく、同僚の三人も、実はそれぞれの人生苦しみを抱えています。

「ハワードの人生を何とかせねば」と、俳優を雇ってハワードの前で演技させるんですけど、それを仕組む中で、自分たちの人生も救われていきます。
下手すると「心温まる物語だけど、ただそれだけ」という映画になるんですが、この辺のつくりがとてもうまくて、新しさがあるんですよね。

東日本大震災で、ボランティア活動をしていた人たちはその行為で「自分の方が救われている」と感じていたそうです。
「情けは人のためならず」と言いますけど、人に何かをしてあげることは、自分自身を救うことでもあるんですよね。
それが良く出いていました。

映画としてみると、ハワードは主人公でありながら狂言回しの役割も担っているという、斬新なつくりになっています。

途中から、「ああ、こういうことなんだな」と判ってしまい、結末も見えてくるんですが、もうひとつ仕掛けが設けられていて、この辺も上手いなあ!
と思います

NYの街並みも美しく描かれていて、疑似旅行というか、疑似街歩きも楽しめる。

安心して観れるし、観た後に心地よい気分にさせてくれる、とても良くできた、良作映画です。
個人的には、『ラ・ラ・ランド』より良いと思います。

ただ、何度も書くけど、邦題はダメ!!

ウィルスミスって、僕の中ではアクション、コメディ俳優というイメージが強かったのですが、いつの間にか演技派俳優になっていますねえ。
エディマーフィーが一世を風靡しつつ、いまは見かけなくなっているのとは対照的ですねえ。


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