映画レビューです。
BSデジタルで放映していた『12人の優しい日本人』。

三谷幸喜の作品はだいたい観ているつもりでいましたが、本作は未見でした。

ただし、監督は『櫻の園』の中原俊。
えっ、こんな映画も撮るの?
と意外です。

陪審ものの古典映画『十二人の怒れる男』のパロディー……
と言ってよいのかわからないのですが、少なくとも本作が下敷きにされていることは、タイトルからも内容からも明白です。

こういった群集劇は、三谷幸喜のお家芸なので、本作が生まれるのは必然だと思うし、期待を裏切らない面白さです。

『ラヂオの時間』を想起させるような密室劇で「低予算で作られた良作」と言っても良いでしょう。

陪審制度が日本で採用されたが、陪審委員に選ばれた人がみんないい加減で、適当にやって終わらせたいと思っている。
そうした中で、議論を重ねるにつれて、みんなが徐々に本気になってきて・・・
みたいなストーリー。

うまいなあ!

と思わせられるのは、「こんな人、いるいる!」みたいなあるある感があって、しかもその人たちの掛け合いがとても面白いんですよね。
さすがは三谷幸喜です。
そこに、だんだん真相が明らかになってくる、ミステリー的なの謎解きの面白さも加わってきます。

三谷作品の読後感の良さは、「人間はどうしようもないけど、愛すべき存在である」という、人間愛が通底しているところにありますね。

加えて、本作はSNS時代の「集合知」を先取りしているようにも思えます。

すなわち「素人の意見でも、たくさん集まることで、意外に正しい結論が得られる」という命題を面白おかしく映像化しているように見える。
三谷幸喜の先見の明なのか、偶然なのかはわかりませんが。

見て損はない、安定した面白さを持った作品です。


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