ボブディランは結局ノーベル賞の授賞式には出席しませんでしたが、スピーチはちゃんと準備して代読されましたね。
さて、そんな折、BSプレミアムで『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』が放映されました。
舞台は1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジ。
主人公はフォーク・シンガーのルーウィン・デイヴィス。
やることなすこと裏目に出て、人生がことごとくうまく行かない男です。
日本でも、自称ミュージシャンの、こういう男ってたくさんいそうです。
ダメぶりが延々と続くのですが、コーエン兄弟のセンスが光っていて、ひとつひとつのシーンが格好いいんですよね。
ルーウィン・デイヴィスは音楽の才能はあるのに、時代や流行に要領よく迎合することができないんです。
オスカー・アイザックが演じてるんですが、この人、実際にミュージシャン兼俳優なんですね。
日本で言うと、福山雅治みたいな存在かな?と思います。
いずれにせよ、凄くハマっていていい雰囲気出しています。
最後まで主人公はうまく行かないんですが・・・
ラストシーンにボブディランの歌が出てきます。
パッと見ると、ボブディランになれなかった男の話なんだなあ・・・と思うわけですが、
実は、ルーウィン・デイヴィスには実在のモデルがいます。
デイヴ・ヴァン・ロンクというフォークミュージシャンで、ボブディランが影響を受けたと言われています。
名前は知られてないし、僕も知らなかったんですが・・・
なるほどねえ。
そういう視点から見ると、全然売れなかったけど、ボブディランをはじめ、後世のフォーク界に影響を与えたミュージシャンの物語と見れるかもしれません。
意図的にそれを暗示するようなラストにしているのであれば、コーエン兄弟には脱帽します。
無頼の作家、チャールズブコウスキーの自伝的小説を映画化した『酔いどれ詩人になる前に』という作品があります。
この作品を想起しましたね。
この映画も、最後まで主人公は成功しないダメ男なんですが、ラストにやはり救いがある。
世の中そんなにうまく行くものではないですが、だからこそ、あからさまでないちょっとした救いのある映画が必要なんだと思います。
いやー、映画って本当にいいもんですね~
それでは次週をご期待ください。
サヨナラ サヨナラ サヨナラ ♪