BSプレミアムで録画していた『八つ墓村』を鑑賞。

いやー、良くできた映画だな~。

田舎の因習とか、濃密な人間関係とか、ドロドロしたところがモロ出しの作品ですね。
田舎に対して美しい幻想を抱いている、Iターン,Uターン嗜好の方はこの映画を一度観ておくべき!と思います。

まあ、本作はフィクションですし、いまどきこういうドロドロの田舎があるわけではありませんがね。
でも、農村部は保守的で、因習をズルズルと引きずっていて、人間関係も鬱陶しくて・・・と大変なところもあります。
この映画はそういうところが濃厚に出ているんですよ。

「八つ墓村」は横溝正史作品の中でも映画化される機会が多く、すでに3回の映画化がされています。
観たのは、1977年の作品で、一番ヒットした有名作品。

小学校の頃、「祟りじゃ〜っ!」っていうのが、流行したんですよね。
でも、怖そうで大人の映画という感じだったから、同級生は誰も見てなかったんですよねえ。

さて、監督が野村芳太郎で、名作『砂の器』の制作チーム。

金田一耕助役が渥美清(!)です。
「えっ!? 渥美清って金田一耕助役やってたの?」とオドロキです。

僕にとって、渥美清は寅さんのイメージしかないのですよね。
そんなわけで、たまたま田舎の村にやってきた寅さんが、おどろおどろしい事件に巻き込まれているように思います。
寅さんだったら、小川真由美演じる森美也子に一目ぼれてして、ストーリーが大変なことになっていたと思います(笑)

やっぱり、金田一耕助は僕の中では石坂浩二一人です

『悪魔の手毬唄』も同様なんですが、物語が時系列的に三重構造になってるんですよね。

・歴史や伝説の時代
・近い先祖の時代
・現代

この3つの時代の陰惨な事件が交錯していく。

その交錯ぶりは『悪魔の手毬唄』以上に良くできていて、全てが繋がっていくんですよね。
この辺をしっかり書き切ってしまう、横溝正史は天才だと思います。
歴史を重層的に絡ませながら、現代の複雑な人間関係や出生の秘密とも連動させ、その中で必然的に事件を発生させ、人間関係と歴史の時間軸を手繰りながら事件の解決に導いていく。
上手いトリックを思いつくミステリー作家はいますけど、こういう手腕を持った作家は今はいないと思います。
過去を見ても、横溝正史レベルでできている人はいないんじゃないかなあ・・・

映像に関していうと、昭和時代だからこそ出せる湿っぽさ、おどろおどろしさが良く出ています。
平成に入ってからも、横溝作品のリメイクがなされていますが、成功した作品はないですね。
当時だからこそできた作品だったんでしょうねえ。

いま見ると、逆に新鮮に思えたりします。
こういう映画って世界広しといえども日本しかないですからねえ。
『ドラゴンタトゥーの女』とか、家族の複雑な人間関係から織りなされる殺人事件という点では同系列ですが、醸し出す世界が全然違います。

優れた作品だと思いますが、最後にいきなりホラー化してしまうシーンは違和感ありました。
どの瞬間に化粧したんだよ!と思ってしまいました。
いま見ると、違和感ですね。

ただ、本作自身が、ミステリーだけでなく、ホラーの要素も持っています。
その点は作品世界に奥行きを与えているので、評価はしているのですけどね。

仕事辞めたら、横溝正史の原作をゆっくり読んでみたいなあ・・・と思っています。


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