本来は、映画の日に行く予定だったんですが時間が取れず・・・
昨日、やっと行けました。

『永い言い訳』

西川美和監督の映画は、『ゆれる』を観て感銘を受けて以来、新作を楽しみにしてました。

『ディアドクター』も良かったですよ。

『夢売るふたり』は評判がイマイチだったようなので、見送りましたが。。。

さて、本作は『ゆれる』の原点に戻った感がありますが、さらにそこから発展したところもある、名作でしたよ。
西川美和の作品のテーマは一貫していると思います。
「虚偽や欺瞞の中にこそ、真実が宿っている」ということじゃないかと思うんですよね。

『ディアドクター』は偽医者の方が医者らしいという話なんですけど、やはり偽物と本物違いは何か?
偽物の方が本物よりも本物らしいということもあるんじゃないか?
という作品でした。

さて、西川美和さんって、是枝浩和の助監督としていた方なんですよね。
だから、是枝流の感情表現のたくみさを受け継いでいるのですが、初監督作品からちゃんと独自路線を行っていました。
今回については、『そして父になる』を引き継いでいる感じがしますが、それでもやはり独自路線を切り開けていると思います。

ストーリーは、妻を亡くした衣笠(本木雅弘)という男の話です。
友達とスキーに出かけた妻が、バスの事故で亡くなってしまうのですが、ちょうどそのとき、衣笠は浮気をしていたんですね。
妻の死に向き合っても、泣けない。
そんな中で、妻と一緒に亡くなった、彼女の友達の夫の大宮(竹原ピストル)と会う。
それにしても、竹原ピストルの風貌は怖いですねえ・・・
でも、大宮は純粋な男で、衣笠と違って、妻の死にショックを受けて、妻のことを延々と忘れられない。
そうした中で、二人の子供を育てている。
いずれ、衣笠(子供はいない)が、大宮の子供たちの母親的な役割を担うようになります。

子役が実にいいんです。
やっぱり、この子供に自然な演技をさせる力は、是枝譲りじゃないかと思います。

さて、ストーリーだけ見ていると、他人の子供と交流することによって人間の心が目覚める、心温まる話のように見えます。
実際そういうところもあるのですが、本作はもっと深いんですよ。
大宮の方も、二人の子供はうまく行っていないんですよね。
特に、上の息子とは関係がギクシャクしている。

人間としてゲスなはずの衣笠の方が、うまく息子に入って行っている感じなんですよね。
メインのストーリーは、衣笠が人間性を回復して行く物語なのですが、脇役の大宮にとっても、衣笠の存在によって、親子関係が救われているんですよね。
そういう意味では、本作は相互救済の物語だと思います。

西川美和さんって、本作の脚本を自分で書いているだけでなく、映画化の前に小説化していて、直木賞の候補にまでなっています。

本当に才能にあふれる人なんですねえ・・・


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