昨今の中東情勢を見ていても思うのですが、革命を成功させることはもちろん難しいのですが、革命後に政権を安定させることってもっと難しいですね。

BSプレミアムで録画していた『革命児サパタ』を観たのですが、まさにそういう映画でした。

実在のメキシコの革命家を描いた1952年公開の白黒映画です。
監督がエリア・カザンで、脚本がノーベル文学賞作家のジョンスタインベックという、実にインテリ度が高い面々です。
出演はマーロン・ブランド、アンソニー・クインとこちらも豪華。

余談ながら、もう25年以上前になると思うんですが、この映画がNHKで放映された時、ビデオテープに録画していたんですね。
ずっと見ないままに放置していたら、ビデオデッキが壊れ、DVDの時代が来て・・・ということになってしまいました。
それでいままで観ずじまいでした。
こういうことって良くあるんですが。

当時のアメリカ映画の傾向なのか、エリアカザンという人の作家性なのかはわかりませんが、主人公のサパタは悲劇性を帯びていて、終わり方もハッピーエンドではありません。
ここ20年くらいで言うと、アメリカ映画には「ヒーローは死んではいけない」「ヒーロー映画は(広義の)ハッピーエンドでなければならない」という不文律があるように思います。

逆に、それを守っていないだけに、古い映画ながらに新鮮味があるし、奥域があります。

メキシコの農民エミリアーノ・サパタは、農民の権利を守るために、亡命政治家のマデロと呼応して武装蜂起し、ディアス大統領を追放して革命の英雄となります。
マデロは暗殺され、共闘した兄は革命の理念から離反して農民によって殺害、最後にはサパタも裏切りにあって殺害される・・・
ただし、映画の中では、「伝説として生き残る」という希望を持たせています。
日本「義経はチンギスハーンになった」的な伝説を彷彿とさせますねえ。

時代は下りますが、この映画を観て、キューバ革命がいかに奇跡的だったかを実感します。

さて、監督のエリアカザンはハリウッドを席巻した赤狩り際して、仲間を売ってしまいます。
こういう作品をものしておきながら、仲間を裏切ったエリアカザンの心中はいかほどのものだったろう?
映画の裏側で、そんなことを思ってしまいます。


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