BSプレミアムで『ペイチェック 消された記憶』観賞。

原作は、多数のハリウッド映画に採用されているSF作家、P.K.ディック。

僕にしては珍しく、原作を先に読んでいました。

P.K.ディックで映画化された有名映画としては『マイノリティーリポート』『ブレードランナー』『トータルリコール』あたりがあります。

いずれも、映画として優れていますが、原作とはだいぶストーリーが違っています。
P.K.ディックの原作って、プロットや構成が非常に優れているんですが、内省的、哲学的すぎて大衆的ではないんですよね。
でも、うまく映画化されると、大衆性と芸術性がうまくブレンドされて、エンターテインメント作品として優れたものに仕上がります。

『ペイチェック 消された記憶』の監督は、『レッドクリフ』『ミッションインポッシブル2』のジョンウー。

ストーリーが面白く、アクションも派手で作品世界に引き込まれますが・・・
ジョンウーはアクション映画の監督としては優れていると思いますが、本作のようなSF映画の監督してはちょっとどうかな???と思いましたね。
アクションシーンが多くて、エンターテインメント映画としては良いのかもしれませんが、P.K.ディックの原作の持ち味が損なわれてますね。
派手なアクションが安っぽくしてしまっている感があります。

何より、本作の面白さは「記憶が消される」という恐怖と不安、「未来がわかることは幸せなのか?」という哲学的な問いの部分にあると思いますが、そこが十分に消化されていなかった感があります。

もちろん、ストーリー展開の面白さとアクションの派手さで、エンターテインメント作品としてはなかなかのレベルにあるとは思います。
ただ、P.K.ディック作品を映画化するなら、もう少し主題をしっかりとらえて欲しかったなあ・・・と思います。

さて、主演ではないですが、タランティーノ作品御用達のユマサーマンがなかなか美しいです。
ユマサーマンは美人だし、女優としても一流だとは思うけど、ちょっと顔だちが独特だし、タランティーノ作品は役柄もエキセントリックなので、これまで王道的なイメージなかったです。
今回は、典型的なヒロイン役でした。
そんなユマサーマンのポジションって日本の女優の誰かに似てるなあ・・・と考えてみたら、満島ひかりじゃないか!と思い至りました。
僕の勝手な意見なので、共感してもらえるかわかりませんが。

さて、本作品はスピルバーグに撮ってもらいたかったですね。
『マイノリティーリポート』と比較すると、スピルバーグの凄さが良く分かります。
世界観の作り込みもそうだし、エンターテイメント作品として仕上げつつ、思想性というか哲学性というか、そういうものをしっかり織り込んでいく手腕もしかり。
ジョンウーは優れた映画監督だと思うけど、『ペイチェック』のような映画は守備範囲外じゃないかと思います。


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