やっとDVDで観ました『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。

2015年のアカデミー作品賞を受賞。
でも、日本に関する限り、観た人の評価は必ずしも高くないんですよね。

僕の友達も「いかにも、ザ・アメリカって感じで、あまり面白くなかった」と言っていました。

そんなわけで、これまで敬遠していたのですが、同じアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の『レヴェナント』が良かったので、「食わず嫌いは良くない」と思い、遅ればせながら鑑賞した次第。

「良い映画じゃないか!」というのが率直な感想。

さて、あらすじですが、Amazonからの引用。

映画シリーズ4作目を断って20年、今も世界中で愛されているスーパーヒーロー“バードマン”。だが、バードマン役でスターになったリーガンは、その後のヒット作に恵まれず、私生活でも結婚に失敗し、失意の日々を送っていた。再起を決意したリーガンは、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色し、演出と主演も兼ねてブロードウェイの舞台に立とうとしていた。ところが大ケガをした共演者の代役として現れた実力派俳優のマイクに脅かされ、アシスタントに付けた娘のサムとは溝が深まるばかり。しかも決別したはずの“バードマン”が現れ、彼を責め立てる。果たしてリーガンは、再び成功を手にし、家族との絆を取り戻すことができるのか?

以前脚光を浴びたスターが落ちぶれて再起をかける・・・という話はありがちですけど、意外にこれまでさほど多くはなかったですねえ。
アメリカ人がそうなのか、イニャリトゥがそうなのか分かりませんが、こういう物語でも、映像は洗練されて格好いいですね
日本だと、湿っぽくて、格好の悪い映画になったと思います。そういうのはそういうので嫌いではないですが・・・

かねてから面白いと思っていたのですが、アメリカ人って『●●マン』的なヒーローものが大好きで、子供だけでなくて、大人まで熱狂するんですよね。
『スーパーマン』『バットマン』『スパイダーマン』『アイアンマン』etc.
アメコミの世界が大人まで浸透している。
日本人の場合、『仮面ライダー』や『ウルトラマン』が大人の間でヒットするなんて、あまり考えられません。
『ゴジラ』はヒットしましたが、これはヒーローものではありませんからね。

本作の主題は、アメリカのヒーロー映画を裏返しにしたような形になっていて、ヒーローを演じた男が落ちぶれて・・・という物語になっている。
ポジネガフィルムのネガのような作品だな・・・と思うわけです。
そこら辺の描き方が、業界人の共感を得たからアカデミー作品賞を受賞しているのかな?と思います。

ただし、それだけではなく、映像のつくり方もだいぶ凝ってます。
虚構と現実の交錯するシーンといい、ニューヨークの風景といいセンスの良さが光ります。
連続的にシーンをつないでリアリティを出す手法もさすがです。

『レヴェナント』とは映像から受ける雰囲気がだいぶ違ってますので、イニャリトゥはかなり幅の広い作り手だなあと思いますね。

ただし、イニャリトゥの作品は、評論家とか映画業界の間では評価が高いですが、一般人の間ではさほどでもない感じです。
過去の映画にあまりないような斬新な表現が見られるので、そこがプロに受けるのかもしれませんが、必ずしも分かりやすいものではないので、普通の人にとっては、それが斬新だと思えないのかもしれません。

*** 以後、ネタバレあり ***

最後はどうなるかな・・・?
と思って観ていましたが、多少の想定外の展開はあったものの、「やっぱりね」と思えるような終わり方でした。
アメリカ映画って、基本的に主人公は負けてはいけない存在なんですよね・・・
最近のアメリカ映画は、全てハッピーエンド・・・とまではいきませんけど、不幸な終わり方をする作品はほとんどないと思います。

主人公リーガンの人生の再建に向けた悪戦苦闘ぶりには心を動かされます。
でも、結末までみていて、「アメリカ人って、やっぱり負けるというのは受け入れがたいんだなあ・・・」と思いましたよ。

いずれにしても、良い映画であることには間違いない。
ただし、僕として2015年のアカデミー作品賞にふさわしいと思うのは、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』です。

むしろ、今年『レヴェナント』が受賞していた方が、僕としてはしっくりきます。

最近のアカデミー作品賞は、グローバル的な視点からすぐれた作品が選ばれているというよりは、アメリカという国の特殊性が色濃く出たものが選ばれているように思えます。
なので、アカデミー賞を受賞しているからと言って、日本人が見て、必ずしも面白いとは限らないと思います。
逆に言うと、アメリカ社会を知るには有用なテキストになっていると思いますが。

ディズニーしかりですが、アメリカの大衆文化はかなりガキっぽい(本作がガキっぽいと言ってるのではありません)ですが、それをかなりのクオリティで作ってくるので、「ガキっぽくてダメ!」とは安易に批判できないんですよね。
それを言うと、日本のアニメもそうだったりするのですが。

いやー、映画って本当にいいもんですね~
それでは次週をご期待ください。
サヨナラ サヨナラ サヨナラ ♪


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