火曜日恒例のBSプレミアムの『男はつらいよ』レビュー。
今回が最終回となります。

『男はつらいよ ぼくの伯父さん』

映画好きなら、お分かりかと思いますが、サブタイトルはジャックタチの、『ぼくの伯父さん』から取られているんですよね(こちらも良作)。

毎週10作品連続で観てきましたが、改めて気づいたこと。

・半分くらいは過去に観ていた
 見ていたのはせいぜい6,7本と記憶していましたが、今回上映したもの以外にも観ているので、10本以上は観てるはず。

・意外に作品ごとに変化がある
 ワンパターンな映画だと思っていましたが、基本フォーマットには則りながらも結構変化を付けていますね。
 特に、本作からは満男と泉のウエイトが増していて、若返り感があります。
 最も、渥美清の健康上の問題があり、意図的に寅さんの出演シーンを減らしていることが大きいようですが。

・本シリーズはファンタジー映画である
 表園的にはリアルな人情ドラマに見えますが、良く見るとかなり不自然なシチュエーションがあります。
 ⇒ どう見ても堅気ではない、怪しいオヤジの寅さんに美女が警戒心も持たずに寄ってくる。
 ⇒ 旅先でありえないような偶然の再会が沢山起きる
 ⇒ 登場人物の素振りや感情表現が不自然なまでに過剰
 こういう不自然さは、欠陥と見ることもできますが、ファンタジー映画と見なして受容すべき要素だと思います。

自分がオヤジになってみてはじめてわかるのですが、この作品は「オヤジの妄想映画」なんです。
・美女と恋をしたい(かといって一人の女性に囚われたくない)
・組織のしがらみにとらわれず自由に生きたい
・色々なところを旅しながら暮らしたい
・どんなに好き勝手に生きても、最終的には帰るべき家と、向かえてくれる家族が欲しい

『007』シリーズが洋風で洗練されて格好いい「オヤジの妄想映画」だとすると、『男はつらいよ』は純和風で情けないところもあるけれども暖かい「オヤジの妄想映画」なのです。

この作品の最後に満男が「伯父さんの老後の面倒は僕が見るよ」と言ってくれていますが、寅さんが本当に老人になって動けなくなったらどうなったんだろう?
まず、寅さんはほとんどお金がないです(色々なシーンからそれがわかる)。
国民年金にも、健康保険にも加入してないでしょう。
面倒を見てくれるとすると、さくらと博、あるいはその息子の満男しかありません。
でも、彼らも庶民なので、十分なお金があるようには思えません。
持ち家はあるようですが、はたしてローンの返済は終わってるんでしょうか?
いくら憎めない存在だとしても、体も動かなくなり、お金もなく、自分勝手な寅さんを最後まで面倒見きれるんでしょうか?
ボケたりすると、さらに大変です。
生活保護を受給することになるのかなあ???

結局、渥美清の死でシリーズは終了しましたが、ファンタジーをファンタジーとして終わらせることができたので良かったのかもしれません。

以後、『釣りバカ日誌』シリーズが松竹の看板シリーズとなるわけですが・・・
松竹って「国民的看板シリーズ」に頼りすぎたせいで、時代の流れについていけなくなったんじゃないのか!?
と思ってしまいますよ。

まあ、『聲の形』は良くできていたので、今後に期待ですが。

あれっ? 『男はつらいよ ぼくの伯父さん』について書けませんでした。
明日にでも、改めて書きます。

いやー、映画って本当にいいもんですね~
それでは次週をご期待ください。
サヨナラ サヨナラ サヨナラ ♪

過去のレビューはこちら。

ノマドの先駆者を描いた(?)『男はつらいよ』(1019本目)

『男はつらいよ 奮闘編』はありそうでありえない理想郷を描いた映画(1021本目)

『男はつらいよ 柴又慕情』は時代を感じさせる人情映画(1022本目)

『男はつらいよ 寅次郎相合い傘 』はシリーズ最高傑作?(1024本目)

シリーズの名作『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』のレビューと裏ネタ(1028本目)

『男はつらいよ 噂の寅次郎』は特筆すべきところはないけど・・・(1031本目)

『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』はたしかにシリーズの傑作(1032本目)

ちょっとベタだった『男はつらいよ 浪速の恋の寅次郎』(1036本目)

『男はつらいよ 寅次郎物語』は、現代版母を訪ねて3000里(1040本目)


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